源流大学のWeb担当地主先生から「きのこの胞子紋の記事を書きます」と連絡を受け、幸いなことに私はきのこが大好きで、髪型までブナシメジによせるような、きのこ人間だったので喜んでこのお仕事に協力することにしました。しかし、ここからが私達の長く果てしない戦いだったのです。
胞子紋ってなに???
そもそも皆さんは「胞子紋(ほうしもん)」という言葉は聞いたことがありますか?私達きのこ好きの間では、かなり当たり前だと思っていたこの胞子紋はほとんどの方が知らないのだということをこの実験で知りました。
今も多くの方が「はっ?なにそれ?」と画面の前で言っているのではないでしょうか。
ちなみに胞子紋についてあらためて調べてみると、私が持っているキノコの本20冊くらいのうち、胞子紋についての記述がある本は2冊だけというマニアックさでした!私だけが胞子紋はメジャーだと思っていたようです。
きのこは胞子でふえる
きのこ、つまり菌類は「胞子」と呼ばれる植物でいう花粉のようなもので増えます。皆さんがよく見たことのあるいわゆるきのこは、(シイタケやエリンギなど)「ヒダ」とよばれるきのこの裏側の部分に担子器という部分を形成し、その先端から胞子を出します。
つまり、胞子紋とは
きのこの傘を紙の上に一晩ほど置いておくと、この胞子が落ち、模様となって目に見えるようになります。これを胞子紋といいます。きのこの胞子はグループごとに色がある程度決まっているので、胞子の色とその模様をみればある程度きのこを分類することができます。つまり胞子紋はきのこの指紋のようなものです。
胞子紋をとってみよう!
それでは早速胞子紋をとってみましょう!まずはキノコを用意します!傘の開きかけた、いかにも胞子を出しそうなやつを用意します。
これの柄をとります。通常だとこれで準備完了ですが、私は綺麗にとれるように縁のまいている部分も切りとりました。
これを黒い紙等の上におき、湿気を維持する為に脱脂綿を濡らしたものを傘の上に置き、胞子が風で飛ばないようにコップ等をかぶせます。
これを一晩放置すれば完成です!簡単!
出にくいものもあるので、出てないなーと思っても2−3日おいておくと出るようになります。私の経験では温度が高い方がでるような気がします。
胞子紋で遊ぼう!
せっかくなので、胞子紋を使って遊んでみます。地主さんは家紋に挑戦していたので。(キノコの胞子紋で家紋を作ると美しい!)私も教えるために作ってみることになりました。
結構簡単につくれるだろ!と思っていたら、意外と難しくここからの道のりが険しいものになりました。
キノコには柄があった
まず家紋を作ろうと胞子紋をとって気づいたことがあります。キノコには柄があるのです!当たり前です。真ん中がぽっかりあいていることをすっかり忘れていました。地主さんに「簡単に出来ます」と言った以上後には引けないということでなんとか作れる家紋がないか調査した所、家紋の中にも真ん中があいているものがあることが判明。これならいけそうです。
地主さんに見せると「すごいですね!でもこういうことじゃない!」と言われてしまい、さらに寝ずに研究を重ねることに。
そこで柄の部分を中心に型紙をいれて作る方法を編み出しました。
作れそうな家紋の型紙を作ってキノコにのせる。これで完璧な家紋が作れそうです。
この方法で色々な家紋を作ってみました。
胞子紋はまだまだ奥が深い
色々と私達も協力するうちに新たな発見がありました。マニアックすぎると言われ、記事はあんまりうけなかったみたいです。
まだまだ胞子紋マニアにはほど遠い私達。今後も他のキノコの胞子紋集め等さらに極めていきたいと思います!まだまだ戦いは続く・・・
皆さんもぜひ胞子紋で遊んでみてください。
参考文献:
きのこ(ヤマケイポケットガイド):山と渓谷社
きのこ博士入門—たのしい自然観察:全国農村教育協会
きのこ−ふわり胞子の舞(ふしぎいっぱい写真絵本):ポプラ社
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【大発見】キノコの胞子で家紋を作ると美しい