とてもあやふやな電車が近すぎる市場に行く

コラム
きたね!

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電車というものがある。移動には欠かせないものだ。そんな電車と我々の距離は近いけれど遠い。駅のホームが電車との最接近ポイントであり、それ以外は遠いのだ。線路の周りには基本的に柵があり、身近なようで遠い存在だ。

そんな電車との距離が驚くほど近い場所があった。駅ではない。普通の線路を走っている最中の電車と人間の距離が近いのである。触れる距離だ。そんな場所に行って見たいと思う。

あやふやな記憶
人の記憶は儚いもので、日々の新たな情報によりどんどんと忘れていく。一週間前の今日、何をしていたかも覚えていないし、なんなら、昨日の晩御飯はなんだったかも怪しい。人はどんどんと忘れていくものなのだ。

タイに行きました!

タイに行きました!

2016年7月、私はタイに行った。たぶん行った。行ったことはなんとなく覚えている。どこに行った、とか、どうやってタイ国内を移動した、とかは大変あやふやで、綿あめを水につけた、みたいな状態なのだけれど、行ったのだ。

間違いなく行きました!

間違いなく行きました!

そこで電車が近すぎる市場に行ったのだ。すっかり忘れていたけれど、行ったのだ。とても感動する場所だったので、この記事に記したいと思った。忘れていたけど、思い出したらすごくよかったのだ。死んでから評価される画家とかと同じことだと思う。

バンコクから電車でその市場に行きました

バンコクから電車でその市場に行きました

ちなみにドアは閉めずに電車は走りました!

ちなみにドアは閉めずに電車は走りました!

あやふやなドア
今回向かっている市場は電車がものすごく近い市場だ。というか、もはや電車と市場の境はないと言ってもいい。日本ではありえないことだ。日本では、電車と道の境がしっかりしている。場所によっては高架にもなっている。それが日本だ。

日本は線路に侵入できない!

日本は線路に侵入できない!

日本では線路に誰かが侵入したら、電車は止まるしで、都会は大混乱になる。それが普通だと思っていた。ただタイではそうではないのだ。電車が来ないとき線路は道であり、市場なのだ。それを見に行っているのだ。

あやふやにドアが閉まっている電車に乗って、

あやふやにドアが閉まっている電車に乗って、

どっかで降りて、

どっかで降りて、

どこかから

どこかから

どっかに行く船に乗った

どっかに行く船に乗った

あやふやだ。全然どうやって行ったか覚えていない。バンコクから向かったのは間違いない。そこから電車を2時間くらい乗って、どこかで降りて、船に乗った気がする。夢みたいだ。船に乗るあたりが夢のクライマックスだ。よく考えると線路が市場というのも夢っぽい。

そして、どっかからまた電車に乗った

そして、どっかからまた電車に乗った

船を降りたら、また電車に乗った。何線とかは覚えていない。鮮明に覚えているのは、この電車が全然発車しなくて、窓から顔を出したら、真剣な顔をした男性たちが電車をいじっていたことだ。最終的に全員が首を捻りながら去って行って、ゆっくりと電車が走り出した。これ修理できたのだろうか。やっぱりあやふやだ。

修理できたのかなぞ

修理できたのかなぞ

ただ走り出して、

ただ走り出して、

到着!

到着!

境があやふやな市場
この市場はメークロン市場というそうだ。いま「タイ 線路 めっちゃ近い」と検索したら出てきた。そう、私はメークロン市場に来たのだ。上記の写真からも分かるように、線路と市場が近い。数人轢いてんじゃないの? と思うくらい近いのだ。

線路が道だもんね!

線路が道だもんね!

この路線はここで終わり。終着駅なのだ。電車も一日に数本しかないらしい。そのスペースの有効活用が「市場」なのかもしれない。線路を歩くのも全然普通のことだ。日本だとすごく怒られる気がする。

市場です!

市場です!

市場には肉もあれば、魚もあるし、日用品もある。ここに来ればなんでも揃うのだ。それが全部線路脇にある。人は線路を歩くのである。電車が来たら轢かれるのは間違いない。そういう場所なのだ。そんな場所に年末のアメ横みたいな活気がある。

活気がすごい!

活気がすごい!

やがて一日数本の電車が来る。いま「一日数本」と書いたけれど、あやふやな記憶なので、実は「一日数本」ではないかもしれない。山手線みたいに走っているかもしれない。全てあやふやな記憶なので。

電車が来ました!

電車が来ました!

テントを一部畳みだした!

テントを一部畳みだした!

きたね!

きたね!

すげー近い!

すげー近い!

テントをみんなが畳み出すので、いつ電車が来るか分かる。走ってきた電車は驚くほど近かった。この距離は恋人同士の距離だ。イチャイチャに発展する距離。電車とイチャイチャしたらあらゆる意味で昇天するけれど。

電車が通り過ぎると元通り!

電車が通り過ぎると元通り!

あやふやな思い出
以上があやふやな記憶で書いた電車と自分の距離が近すぎる市場だ。本当に近かった。バンコクから5時間くらいかかった気がする。いや、4時間くらいだったかな。そもそも市場と電車と自分の距離は近かったかな。

この記事で分かることは、メモを残しましょう、ということだ。鮮明に覚えているのは電車が直ったかわからない状態で走り出したということだけだ。ただ楽しかったのは間違いない。

あふやふなメークロン市場の地図です!

あふやふなメークロン市場の地図です!

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