大人の野遊び〜ガサガサのススメ〜

コラム
「ガサガサ」は水辺があればどこでも楽しめるアクティビティ

突然ですが、あなたは川で遊んだことがありますか? 大人になるとBBQやサイクリングなどで河川敷を使うことはあっても、川に入って遊ぶということはなかなか無いと思います。これから夏に向けて川遊びをやってみたい! という方にオススメな遊びが、「ガサガサ」なのです。

ガサガサとは
ガサガサとは川に入って魚を網に追いやり捕まえる遊びの事です。長靴とタモ網さえあれば遊ぶことが出来る野遊びとして、自然系の雑誌などでもたびたび取り上げられるほど人気があります。

「ガサガサ」は水辺があればどこでも楽しめるアクティビティ

ガサガサに必要な道具
ガサガサに必要な道具を紹介します。まずはタモ網。これが無いと魚が捕れません。必ず底が平らになっているタイプのモノを買いましょう。釣り道具屋などで購入することが出来ます。

「タモ網」底が平らになっているものを選ぼう

次に長靴。川に入るときに必要です。サンダルで川に入ることもできますが、川の中はガラス片や金属片が意外と多いので長靴がオススメです。ホームセンターなどで購入しましょう。

あと、採った魚を入れる入れ物。これは何でもいいのですが、できれば蓋つきのものがオススメです。魚も野生動物なので飛び跳ねて脱出してしまうことが良くあります。陸の上で干乾びていた……ということが無いようにしましょう。

釣り道具屋にある「コマセバケツ」がオススメです

最後に、あるとよりガサガサを楽しめる道具が観察ケースです。魚を横から観察することが出来るので識別や写真撮影が楽しめます。「観察ケース」というのが、釣り道具屋で売られていますが、100均のアクリルケースでも問題ありません。

100均のアクリルケースはオススメだ。これは蓋つきのもの

ガサガサしてみよう
というわけで道具が揃ったら早速ガサガサしてみましょう。

東京都狛江市の野川にやってきました!

東京都狛江市の野川にやって来ました。野川は多摩川の支流で、市街地の間を流れています。ガサガサするには程よい水深で、初心者にも最適です。

野川の水は市街地を流れているとは思えないほど澄んでいる

まず川全体を観察しましょう。水際に草が生い茂っているところや、石や岩が重なっているところなど、「いかにも生き物が隠れていそうな所」があると思います。こうしたところがガサガサポイントになります。

ガサガサの基本は「追い込む」
川に魚を捕りに来る人が陥りやすい間違った方法として、網を水中で振り回して魚を捕まえようとすることがあります。しかし水中では魚の方が絶対的に速いため、この方法で捕まえることはほぼ出来ません。

網と川岸で逃げ場を無くし、左足で追い込む(写真左が上流)

そこで基本は「追い込む」形になります。写真では網と川岸で魚の逃げ場所を無くしてから、左足で魚を追い込んでいます。網は固定して追い込む、これがガサガサの基本テクニックになりますのでぜひ覚えましょう。

記念すべき一網目、このように一発で捕れてしまうのです

さて、記念すべき一網目です。モツゴやタモロコが入りました。この辺りではよく見られる魚です。一発で複数匹の魚が捕れるなんて幸先が良いです。

「アメリカザリガニ」100均のアクリルケース大活躍

カワトンボの仲間(恐らくハグロトンボ)のヤゴ

エビやザリガニ、カワトンボの仲間のヤゴなど魚以外のモノも捕れるのが、ガサガサの面白いところです。

メダカとナマズの稚魚が同時に入った

しばらくガサガサしているとなんとナマズとメダカが捕れました。ナマズをあまり捕ったことが無いのでとても嬉しかったです。メダカは絶滅が心配されています。どちらも多摩川本流にも生息していますが、こんなに簡単に捕まえられるということは野川にはそれなりの数が生息しているのでしょう。

正真正銘のメダカです!

環境を変えて捕ってみる
魚は微妙な環境の違いで棲み分けているので、環境を変えながら捕まえていくのがたくさんの種類を捕まえるコツです。川の流れの中に、緩やかなよどみを見つけました。こういったところには泳ぎの苦手な魚や思わぬ大物が潜んでいることが有るので、要チェックです。

川の中によどみを見つけた

草の隙間から追い出すようにガサガサすると、狙い通りフナが捕れました。フナは似た種類が多いのですが、恐らくギンブナだと思います。

狙い通りフナが3匹入った

ある程度捕れたら観察してみよう
ガサガサしていると楽しくてつい捕りすぎてしまいがちですが、ある程度捕れたら観察、撮影して逃がしてあげるようにしましょう。

ものの数分でこんなに捕れる。詰め込まずに観察して逃がしてあげよう

観察ケースに入れて魚を観察してみましょう。日本の淡水魚は地味なイメージがあるかもしれませんが実際は色彩豊かです。写真はハゼの一種であるウキゴリの仲間ですが、目や背びれの色がとても美しいです。このように観察ケースに入れて見てみると新しい発見が有るのでおすすめです。

「ウキゴリ」の仲間 目のグリーンが非常に美しい

ナマズは、捕まえた時はもっと黒っぽかったのですが、白い入れ物に入れていたせいか、ストレスのせいなのか、体色が白っぽくなりました。魚のなかには捕まえるとすぐ色が変わってしまうものがあります。本来の体色を見たい場合には上手に飼育したり環境を整備してあげたりと様々な工夫が必要です。

「ナマズ」の稚魚 頭でっかちでとても可愛らしい

ガサガサは楽しいけど危険もいっぱい
ガサガサについて書いてみましたがいかがでしたでしょうか。楽しそうなのでやってみたい! と思ってもらえると嬉しいのですが、一つ注意点が。
毎年暖かくなると川や水辺での事故を耳にします。ガサガサも川に入る遊びなので、危険と隣り合わせです。初めての場所に1人で行かない、また、子供だけで遊ばせることがないよう気をつけてください。できれば経験者と一緒に行くと、ガサガサテクニックも教えてもらえて楽しいはずです。安全に遊んで楽しいガサガサライフを。

この夏は友達を誘って近所の川に出掛けよう!

ライター:藏本勇 1987年東京生まれ。源流大学の卒業生です。野鳥が好きで休みの日は写真を撮りに出かけます。野鳥とかスミレの話をすると笑顔になります。

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