みなさんはカワセミという鳥をご存知でしょうか。清流に住んでいて、青い宝石のような鳥です。鳥に興味が無くても名前を知っている方は多いと思います。バードウォッチャー憧れの美しい鳥です。
かくいう私もバードウォッチャーであり、鳥の話題になると饒舌になってしまいます。今回はそんなカワセミという鳥が実は身近な存在で、簡単に見に行くことができるということを紹介したいと思います。
カワセミはどこにいるの?
カワセミは日本全国の渓流等に住む全長17cm程の留鳥で、美しい翡翠色の体色から「飛ぶ宝石」と呼ばれています。最近ではJR九州の特急の名前にも選ばれたりしています。
友人や先輩に「カワセミを見たことないから、いる場所に連れてって」と言われます。カワセミというと大自然、東京だと奥多摩や高尾山でしか見ることができないイメージがあるかもしれません。しかし、意外にも都市部の公園でも見ることができます。しかも、都市部の公園のカワセミは、人慣れしているので観察がしやすく、野鳥観察をしたことが無い人でもオススメなのです。
カワセミに会いにいく
今回は、江戸川区にある「都立葛西臨海公園」の鳥類園で鳥を探したいと思います。東京駅から10分ほどの場所です。園内には葛西臨海水族園などもある大きな公園です。葛西臨海水族園と言えば、2012年にペンギンが脱走した事件とかもありましたね。
ちなみに友人と前に来たときはカワセミが目の前で魚を捕ってくれました。あいにく本日は、車止めの柵がなぎ倒されるほどの強風ですが、さて今回はどうでしょう。
カワセミのいる鳥類園まで歩いていると、さっそくスズメを見つけたので観察。20羽ほどの群れで、芝生をついばんでいました。スズメは植物も昆虫も両方食べます。鳥ビアです。
続いてアオジが地面に現れました。関東の平野部では冬に見られる小鳥です。数羽でアスファルトに降りて、落ちている植物の種子を食べているようでした。葛西臨海公園には多くの鳥達が集まるサンクチュアリの鳥類園が整備されており、四季折々の鳥達を観察する事ができます。ここなら間違いなくカワセミもいるはずです。
強風で鳥がいない
その後も何種類か鳥を見たのですが、カワセミが見たいので先を急ぎます。カワセミは水辺にいるので池を見渡せるポイントに到着、ここでしばらく観察します。しかしこの日は風が強く、鳥の姿が少ない。条件が良ければここでもカワセミを見ることが出来るのですが、今日はいない。どこにもいないのです。
風が強いところには小鳥は出て来ないので、風を遮ってくれる建物の陰で待つことにしました。メジロ、オナガなど、綺麗な小鳥たちは現れますが肝心のカワセミは気配がありません。
バードウォッチングをしているおじさんから「トラツグミがいるよ!」と教えてもらいましたが(おじさんありがとうございます、カワセミより珍しい!)今回の狙いはそれではない。あくまでカワセミを待ちます。
カワセミ登場!
しばらく待っていましたが現れる気配がなく、以前撮った写真を流用しようかなぁと困り果てていた時、池の奥の方からカワセミの「ピィー」という鳴き声が聞こえました。慌ててそちらがうかがえる観察窓を覗くと、
距離にして50メートル以上あるでしょうか、カワセミかどうか怪しいくらい、遠いですが、カワセミです。しかもその後、2回ほど水面にダイブするところも見ることができました。観察できた時間は2分ほどでしたが、ほっとしました。もっと間近で観察したかったですが、強風でとても寒かったので、昼前に撤退しました。カワセミの青さも、川に飛び込む姿も、今日は寒く感じられます。
鳥を探しに公園へ
皆さんもこれで都市部の公園にカワセミがいる、ということが分かったと思います。皆さんも自分の家の近所の公園、特に水場がある所を探してみてください。きっとカワセミだけではなく、野鳥をはじめいろいろな生き物が見つかるはずです。
ここでカワセミを見ました!
ライター・写真:藏本勇 1987年東京生まれ。源流大学の卒業生です。野鳥が好きで休みの日は写真を撮りに出かけます。野鳥とかスミレの話をすると笑顔になります。