くわっせい!小菅めし。
山梨県の小菅村には自然とともに生き、暮らしてきた生活の知恵がたくさんあります。すでに失われてしまったものや変わってしまったものも多いのですが、変わらないものもまだまだたくさんあります。それが一番身近に感じられるのは小菅村のお母さん達が作るおいしい食事「小菅めし」です。
代々受け継がれてきた味は、とっても美味しいのはもちろんですがやさしく、暖かいものばかり。
料理ができない私が修行として、家庭ごとに違う秘伝のレシピを特別に教わり、皆様にお届けします。
小菅自慢の手前味噌!
第1弾にふさわしい小菅めしは〜と探した結果、小菅のお母さん達が各家庭で今も作り続ける「お味噌」がいいなということになりました。
山に囲まれた小菅村では醤油よりお味噌がよく使われていたそうです。全体的にはすこし塩っからいお味噌で、家庭ごとに味が違うので色々な旅館にお味噌目当てに泊まるのも楽しいかもしれません。
今回は村の料理名人、民宿「山水館」のお母さん「長子(ながこ)」さんに教わりました。長子さんは源流大学の受け入れにいつもご協力いただいている村民のお一人で、すごく料理上手な方。私の憧れの人です。
小菅村の青大豆
最近では大豆を買う家庭も増えてきましたが、長子さんは「全然味が違うから!」と小菅村の青大豆を大切に育てて味噌にします。
毎年必ずお椀一杯分を大事に保存し次の年の味噌用に残しておくのです。
ゆで始めるとエメラルドグリーンのような色で本当に綺麗です。すぐに色は抜けてしまうので、ゆで始める時だけのお楽しみだそう。
私は少し見逃してしまったのですが、それでも綺麗な色だなーと感激しました。
味噌ッションその1〜豆をゆでる〜
長子さんのこだわりは「必ず薪でゆでる事!」薪を一定の温度に保ち、ゆっくり時間をかける事でふっくら甘〜いお豆になるんだよと教えてくれました。この日は午前6時くらいから午後2時くらいまでゆでていました。
私に与えられた味噌づくり最初の「味噌ッション」は「豆を見守る!」でした。火力は足りているか、豆は大丈夫か、ひたすら見守ります。この味噌ッションを行うとご褒美として、豆の味見ができます。私は無駄に10分おきに豆の味見をしました。
だんだん飴色の煮汁になったら、親指と小指で豆を潰してみます。簡単につぶせるようになったらOK!この間にもどんどん豆を味見しています。「そんなに食べて、しょうがないね〜」と言いつつ長子さんは煮物にしてくれました。これが美味しいのなんの!食欲がさらに刺激されました!
長子さんのご家族のみなさんとお昼ごはんを食べて、お茶して、豆を見て、お茶して、話して、お茶して、豆を見て・・・このくりかえしです!これなら私でもできる!と止まることなく働く長子さんを横目に私はただ豆をじっと見守って、味見していました。
美味しいものでおなかがふくれて味噌づくり楽しい!となった頃、次の「味噌ッション」が与えられました。
ここからが大変とも知らずに・・・