館というものがある。「やかた」と読むか、「かん」と読むか、「たち」と読むか、難しいところだけれど、今回は「かん」と読もう。物産館、郷土資料館、美術館など、世の中にはいろいろな「館」があるのだ。
今回は福井県にある「館」を巡ろうと思う。それも海産物だけの「館」だ。福井は日本海に面しており、海産物だけでもいろいろな「館」が存在するのだ。
へしこ館
福井に出かけた。日本海に面した美しい場所だった。幸福度の高い県であることがよくわかる。緑は美しく、海は綺麗で、とてもうららかな時間が流れていた。それが福井県なのである。
福井には3日ほどいて、晴れていたのはそのうち数時間で、ずっと雨だった。でも、綺麗な海を見ることはできたので、福井県がうららかで素晴らしい県であることは間違いない。そして、素晴らしいと思った理由はもう一つ、「館」があるのだ。
へしこ館
福井県美浜町佐柿59-18
http://www.wakasaji-navi.com/attractions_detail.php?xid=372
私は「館」が好きなのだ。どこかにでかけ、「郷土資料館」や「歴史資料館」があれば、必ず寄る。その「館」好きを満足させてくれるのが福井なのだ。だって、今まで聞いた事あるだろうか、「へしこ館」なんて。館の好奇心を満たしてくれるのだ。
へしことは、鯖を塩漬けにして、さらに糠漬けにした福井の若狭地方の郷土料理。保存食になり、炙って食べるとご飯もいけるし、お酒も進む。かなり美味しい逸品だ。それが「館」になっているのが、へしこ館なのだ。
「へしこの館(やかた)」と言われると、コナンや金田一が来そうな雰囲気があるけれど、「へしこ館(かん)」と言われると急に好奇心がそそられる。そして、入館すれば、へしこまみれになれるのだ。
昆布館
海鮮物の館はまだ続く。福井は海産物の館がたくさんあるのだ。次は「昆布館」だ。昆布は出汁を取るイメージが強く縁の下の力持ち的な気がする。でも、違うのだ。「昆布館」という、昆布だけに注目した館があるのだ。
昆布館
福井県敦賀市坂下17号3番地の1
http://www.konbukan.co.jp/tsuruga-konbukan.html
昆布を使った商品がこんなに種類があるとは知らなかった。「昆布ゼリー」もあれば、「おしゃぶり昆布」もあり、「昆布羊羹」もあった。出汁として使う昆布もあれば、おやつになる昆布もあるのだ。昆布の無限の可能性がこの館にはあるのだ。
試食コーナーが充実しており、昆布の全てを味わえるのではないかと思ったほどだ。さらに昆布茶のコーナーもあり、これも無料。いくらでも昆布茶を飲むことができるのだ。あんまり昆布茶と関わりを持たなかった私は1年分の昆布茶を飲んだ気がする。
昆布を縁の下の力持ちと思い込んでいた。昆布は主役になれる存在だ。クラスで地味だったあの子が、同窓会で会うとめちゃくちゃ美人になっていた感じ。まさにそれだ。昆布とは美人なのだ。
昆布への評価がここに来て変わった。やはり館には行くべきだ。館により知識を増やすことができる。もっと昆布について知りたい。この昆布館は工場が併設されていて見学できるのだ。昆布の全てがここにあるのだ。
越前がにミュージアム
昆布館の工場は改修中で見学することができなかった。そういうことだってあるのだ。気持ちを切り替え、最後の「館」は「越前がにミュージアム」だ。「館」がついていないが、ミュージアムとは日本語で博物館などを意味する。つまり「館」なのだ。
越前がにミュージアム
福井県丹生郡越前町厨71-324-1
http://www.echizen-kk.jp/kani.html
ちなみに「越前かに館」とGoogleで検索しても「越前がにミュージアム」がヒットするので、館で間違いない。そしてこの館は、越前がについて知ることができるのはもちろん、生体を見ることができ、生き物に触れることもできる。カニ漁体験だってできるのだ。
かなり充実しており、1時間くらいずっと見ていた。もっといてもいいと言われれば、もっと見ることもできる。ただお腹が空いてしまったのだ。カニを見ていたらお腹が空く、至極当たり前のことだ。だって、美味しいそうなんだもん。
お食事処うおいち
越前がにミュージアム2F
3000円で食べ放題なのだ。最近は安い食べ放題も増えているけれど、この3000円ほど安く感じたことはなかった。めちゃくちゃ豪華なのだ。「マジで!」と驚いた。カニを見てからカニを食べることができるのだ。
すごすぎる。刺身もあれば、牡蠣もあり、イカは活き造りだし、甘エビも、肉もある。そして、茹でたカニが船に乗っている。こんな船を見たことがない。なんて豪華なのだろう。それが食べ放題なのだ。死ぬ気で食べた。福井すごすぎる。
カニはてんぷらもあった。イクラはすくい放題だった。本気でこの値段なの? と店員さんに聞きたいほどだったけれど、本当にこの値段だった。豪華の極みみたいな小皿を作っては食べた。本当に幸せ。はやり館を巡ることで出会える幸せなのだ。
館を巡ろう!
福井の海産物系の館を巡った。館には知への幸せと、食への幸せが溢れているということではないだろうか。館こそがこの世の全てだ。ぜひまた行きたい! と思っている。あの時の豪華の極み小皿の味を忘れられない。あれは厳密には館ではなく、食事処だけど。