お正月を燃やしに行こう! 地元のどんど焼きに行く

コラム

どんど焼きというものがある。お正月飾りなどを焼く行事で、小正月に行われるのが一般的だが、最近は休みに合わせて前後することもある。というのも、個人でやるというよりは地域で行う行事だからだ。

このどんど焼きに行ってみようと思う。最近はどの地域でもやっている、という行事ではないようだけれど、やっているならば行きたい。お正月飾りを盛大に、それはそれは盛大に燃やすのだ。

書いた人
地主恵亮

1985年、福岡県生まれ。いつもオレンジ色の服を着ている。著書に『妄想彼女』(鉄人社)、『ひとりぼっちを全力で楽しむ』(すばる舎)がある。お仕事ください! ご連絡は「jinushikeisuke@gmail.com」までお願いします。

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2021年12月しめ縄を飾る

お正月には飾りがある。有名なところでは「しめ縄」だろうか。年神様を迎えるためのもので、12月の中旬ぐらいから飾り始める。またその時期になるとスーパーや駅でもしめ縄が売られている様子をよく目にする。

どうもこの記事を書いている地主としめ縄です!

私はしめ縄とかは必ず飾るタイプだ。飾りたいのだ。年神様をお迎えしたいのだ。迎えに、迎え、大盛り上がりする夜を共にすごしたいのだ。だけれど、高いしめ縄は買えないので、安いしめ縄を買ってきて飾った。去年の12月の話だ。

こういうのを、
ドアにはっつけて、
しめ縄を飾る!
あけましておめでとうございます!

2022年1月どんど焼きとは?

時はすぎ、2022年1月となった。毎年しめ縄の処理に困っていたのだけれど、私が住んでいる東京・狛江を闊歩していたら「どんど焼き」の文字を見つけた。知らなかったけれど、狛江では毎年どんど焼きをやっているそうだ。

どんど焼き

どんど焼きとは、地域(集団)で大きな火を焚く行事で、正月の松飾りやしめ縄などを、竹や木で作られた大きなヤグラ的なものと一緒に燃やすものだ。年神様がこの際に発生する煙と共に帰って行くと考えられている。

会場への地図が暗号みたい!

どんど焼きにはいろいろな呼び方があり、東日本では道祖神祭り、西日本ではサギチョウ、九州では鬼火などと呼ばれている。現在ではどんど焼きが全国的に通じる言葉だろうか。書初めを一緒に燃やすと字が上手くとなるとも言われ、室町時代の宮中でも行われていた。

狛江のあちこちに貼ってあった!

どんど焼きの語源は、燃え盛る炎の周囲で囃し立てる囃し言葉にあるそうだ。また燃えた灰を持ち帰り家の周囲に撒くと盗難、火避けになったり、芯木の倒れる方角で豊凶を占ったりなど、地域により様々な意味を持つ。

そんなどんど焼きに行きます!

20221月9日9時26分

私の住む東京・狛江では2022年1月9日に行われると書かれていた。9時半に開会式で10時に点火とのこと。開催地は多摩川沿い。私の家から歩いて行ける場所だ。そもそも狛江市は全国でも2番目、都内では1番目に面積が小さい市なので、だいたい歩いて行ける。

9時26分、
起床!

1月9日9時26分に起床した。実に腫れぼったい顔をしている。寝起きのためだ。何より時間が9時26分。9時半に開会式だけれど、それは間に合わない。だって、すでに9時26分だもの。前日は8時半に起きようと思っていたのだ。でも、起きたら9時26分だった。仕方ない。

しめ縄を取り外して、
会場につながる多摩川土手へ!

ボケていてわからないと思うけれど、私の後ろには実に美しい、雪化粧をした富士山が見えている(矢印のところ)。ただそれに見とれていてはダメだ。急がなければならない。どんど焼きや始まってしまう。だって、9時26分に起きちゃったから。

あの橋の向こうが会場!

土手には人々がいた。実はどんど焼きだけではなく、同じような場所で出初式、狛江多摩川ロードレース大会(マラソン)なども行われている。ポスターには「ハートフルな1日」と書かれていた。どのイベントもね、正午には終わるんだけど、1日なのだ。午前中が1日の全てなのだ、たぶん。

人がいますな!
出初ってる!

こんなに近くで出初式を見るのは初めての体験だった。ただよく見えなかった。メガネが曇っているからだ、ずっと。マスクをつけると冬はメガネが曇る。冬の私は全てが遠い思い出のような景色となっている。

ずっと曇っていました!

どんど焼き開始

出初式の隣の隣でどんど焼きが行われていた。ギリギリの到着だった。受付があって、そこでそれぞれの正月飾りを渡す感じだ。私もしめ縄を渡した。年神様がその煙と共に帰っていくのだ。

正月飾りを渡す
めっちゃあるね!

どんど焼きは実に特徴的な形をしていた。山になっており、その頂上からぴょこんと伸びている。伸びた先にはダルマや矢がたくさん刺さっている。ちなみに点火する2分前についた。セーフ。

これが燃えます!
燃えました!
とても!

しめ縄を渡して、落ち着いてその様子が見えるところを探しながら振り返ると燃えていた。とても勢いよく燃えていた。もうすぐ点火だね、みたいなことはない。私としてはいきなり燃えた。なぜなら9時26分に起きたから。どんど焼きは余裕を持って行くべきだ。

燃えています!

どんど焼きは暑かった。大きなものが燃えるので、私はネックウォーマーと、ジャケットを脱いだ。そして、炎はいいですな、と一人炎に惚れ惚れしていた。早々にぴょこんと伸びた部分はなくなり、土台的な部分が燃え盛っている。

いいですな!

ある程度下まで燃えると、係の方が集めた正月飾りを火に入れた。その頃は柵も外され火の近くまで行くことができる。本来ならその火で餅を焼くと風邪を引かないと言われているけれど、本日は飲食禁止だ。

この煙がいい!

煙は高くあがり、年神様が帰って行った。子供の時以来のどんど焼きだったけれど、なかなかにいいものである。欲を言えば、13時頃に点火してもらえると個人的には嬉しいのだけれど、午前中の方が相応しい行事な気もした。

いいよね、どんど焼き!

燃やして行こう

どんど焼きに行った。寝坊して5回くらい本当に行くかどうか悩んだのだけれど、結果としては行ってよかった。清々しい気持ちになる。5回悩んで行くと決めた自分を褒めてあげたい。2022年はどんど焼きの炎のように、燃え盛る1年にしたいと思います。

富士山!

参考文献

『民間信仰辞典』桜井徳太郎 東京堂出版 1980

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