ただ葉っぱを入れるためだけのクリアファイル作りました

コラム
拾った葉っぱを入れると

人は誰しも、綺麗な葉っぱを見るとつい集めたくなってしまう生き物だ。そんな葉っぱを普通に袋に入れているだけだとバリバリのバキバキになってしまうので、拾った葉っぱを入れるためだけにクリアファイルを作ってみた。

書いた人
矢野加奈子

多摩川源流大学担当のスタッフです。美味しいものと楽しいこととズゴックが大好きな平均的な人間です。 源流大学で「ちゃの」と言えば私のことです。名字の「やの」とは関係ないけど。

落ち葉拾いたくなるよね

秋になると公園や街路樹が美しく色づき、色とりどりの葉が私達を楽しませてくれる。紅葉だ。春、黄緑に芽吹く新芽や、夏、日差しから守ってくれる青々とした葉も美しいが、やはりなんと言っても秋の紅葉が美しい。

紅葉美しいよね!

私もこの時期になると、公園や山を歩き綺麗な葉っぱを見つけてはポッケに入れていく。グラディエーションが美しいものや、一色に染まっているもの等、どれも美しい。

こんなのとか、
こんなの

人間の持つ狩猟・採集の本能なのか、つい集めてしまう。集めれば集めただけ美しいが、集めすぎると焼き芋焼くのかな? ってくらい集まってしまうので、選抜したものだけを持ち帰るようにしている。焼き芋は食べたいけど。

全て美しい

どうして美しいのか聞きにいってみる

紅葉ってどうして美しいのか、専門家に聞きに行くことにした。東京農業大学には森林総合科学科という、ざっくりいうと林業や森林について勉強している学科があるのだけれどそこの先生に聞きにいくことにした。

森林総合科学科
造林学研究室の菅原泉教授

菅原先生は、造林、つまり森を造るエキスパートだ。人が植えた針葉樹の人工林に広葉樹を植え、森の多様性を生み、森林の持つ保健休養機能や風致機能等も持たせた混交林などを研究している。

先生、紅葉は全ての木で起こるんですか?

そもそも紅葉とは全ての木に起こるわけではないんです。落葉樹という冬になると葉を落とす樹木で起こります

赤や黄色になるのきれいですよね

紅葉には大きくわけると葉が赤くなる「紅葉」と葉が黄色になる「黄葉」があります。

そもそも葉っぱにはざっくりいうと「クロロフィル(葉緑素)」という葉を緑に見せている物質と「カロチノイド」という黄色に見せている物質があるんです

緑だけじゃないんですね!

そう。夏はクロロフィルが多いからカロチノイドは隠れているんだけど、秋になって、緑の粒が光の少なさや寒さでクロロフィルが再生されなくなるとカロチノイド見えるようになってきます。これが「黄葉」

ざっくり一旦まとめます

寒くなるから木が葉を落として、冬に備えるわけですね

もう一つ木が冬になるとする準備で、葉の根本と枝の間にコルク状の物質を造るんだけど、これを「離層」と呼びます。普段葉っぱは光合成して、糖分を作ったら枝に運ぶんだけど、こうなると運びにくくなるわけだ

簡単に言うとコルク上の物質が栓をしてしまうわけですね

そう、そうなると葉に糖分が滞って、クロロフィルと化学反応を起こし、もともと葉にはない「アントシアン」という赤色に見える物質を作ってしまうわけ

アントシアンってブルーベリーに入っている? モミジ見ると目が良くなりそうだ… あれはアントシアニンかな

ざっくりした赤くなる仕組みです

いや、色素って色々あるんでそれは詳しくわからないけど、あの赤や黄色の美しさは目には良いような気がするね

樹種によって黄色や赤になる

紅葉ってなんでこんなに美しいんですかね?

私は、紅葉は植物達の生きる戦略だと思っていて、冬余計な葉を落として春、芽吹くための準備だと思っているんです。個人的には、生き物の生きるためのこうした変化って美しく感じるんだよね

生きていくために色づく、生きている証ですね

そう、あと日本は森の中にたくさんの樹種があって、先ほど言った赤になる木や黄色になる木が多種多様に生えている。それも美しさの秘密だと思うな

なるほど。日本の気候条件や森の環境が美しい景色を生んでいるんですね

本当はもっと正確に書くと違う点もあるのだが、ざっくりと紅葉の仕組みがわかったと思う。ちなみに先生によると山など自然の中の樹木は上から紅葉、落葉し、都会の公園の樹木は一気に紅葉、落葉するそうだ。理由ははっきりわかっていないが、山など自然条件の方が厳しい寒暖差等があるので、徐々に紅葉することで環境に対応するリスク管理をしているのではないかと先生は考えているそうだ。

美しいよね

さて、葉っぱを集めようか

美しい紅葉の秘密もわかったことだし、早速葉っぱを集めたいと思う。紅葉の時期になると大人も子どもも紅葉した葉を拾ってしまうと思う。葉を拾うために生まれてきたのかな、というくらい拾っている人もいる。私だ。
10月後半から11月は紅葉も美しく、落ち葉を見るのが楽しい季節だ。

ついつい拾ってしまう

いつもは本の間に挟んで保存しているのだが、どこにしまったか忘れてしまう事が多い。というか、一年もたてば拾ったことさえ忘れ、本を整理すると大量の落ち葉が本の間から出て来ることもある、二度目の落葉である。

忘れられがちな葉

そこで、拾った葉っぱを入れるためだけにクリアファイルを作ってみた。クリアファイルと言えば書類を入れるものと決まっているが、葉も紙も元は同じ木、クリアファイルに入れたっていいじゃない。

作りました!
拾った葉っぱを入れると
木になります!
その名も「happa case」!

可愛かったので、調子に乗って100部作ってしまった。ワンシーズンに1枚使うとして、これを使い切るには100年くらいかかる。旦那も子どももいないけど、孫の代まで使ってもらわなくてはなくならない数だ。

たくさんつくりました!

下記のサイトで買えます!

葉っぱケース(happa case) | くだらないもの百貨店 powered by BASE
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