街でファッション関係のポスターを見ていると、外国人がモデルのものが多いです。日本人向けのファッションなのに、モデルはなぜか外国人。
詳しい人に聞いたら、「宣伝モデルのスタイルがいいと購買意欲があがる」とのこと。これはファッションだけなのでしょうか。ぜひ外国人に日本の田舎に立ってもらい、日本人より似合うのか検証してみたいと思います。
日本の田舎に外国人
はじめまして、5月から地域おこし協力隊で山梨県・小菅村に入り、源流大学のスタッフをやっている中村健太郎です。僕はここにくるまでの7年間。大手衣料量販店で働いていました。
その時によく見かけたのが外国人モデルのポスターでした。日本人が買うブランドの服なのに、モデルは外国人。なぜなのかな、と思っていたので、先輩に聞いたら、「宣伝モデルのスタイルがいいと購買意欲があがる」と教えてくれました。
悔しいですが、スタイルだけを見れば外国人の方がいい気がします。それは実体験からそう思うのです。僕は身長が低いため、シャツがワンピースのようになってしまったり、ジーンズもありえないくらい裾上げします。僕のスタイルが悪いだけかもしれませんが。
これはファッションだけの話なのでしょうか。いま私が住んでいる山梨県の小菅村にALTとして、アメリカ・アリゾナ州出身の「ジェームス」さんが来ています。彼は悔しいですが、近くで見てもカッコいいし、離れてもてカッコいいです。
そこで、彼をモデルに小菅村のあちこちで写真を撮って、日本人の私よりも様になるか調べたいと思います。もし外国人の方がカッコいいとわかれば、彼をモデルに小菅村のポスターを作りたいと思います。ファッション理論で行けば、来村者が増えるはずなのです。
奥深い山を眺める
小菅村は森林率96%という驚異の森林率を誇ります。都会で仕事に疲れた人が喧騒を忘れるには最適な場所と言えます。鳥の声が聞こえます。目を凝らせば、うごめくマイナスインを見ることもできるかもしれません。
ここに日本人が立つのと、外国人が立つのでは、どちらが様になるのでしょうか。筑波で育った僕としては、ここは外国人には譲れません。私の方が絵になるはずなのです。
ジェームスの方がなんだか壮大な感じがしますね。僕はカッコいいと思い、腰に手を当てたのですが、遠足に来た小学生が背の順で並んだ時の先頭の子みたいになってしまいました。ナチュラルでカッコいい、外国人ずるくないか。
野菜を食べる
源流大学では小菅村に実習でやってきた学生が畑を作っています。撮影した時期は、ちょうどトマトやナスといった夏野菜が食べ頃を迎えていました。これをワイルドに食べてみたいと思います。ワイルドなら僕も負けていません。つくばで育ったので。
ジェームスはトマトを頬張っているのに、チェリーを頬張っているような、カッコよさと優雅さ、そしてワイルド差がある気がします。
小菅村では作物を猿が食べてしまうことが少なくありません。それがちょうど、僕みたいな感じなんです。こんな感じで食べるのです。猿としては優雅でカッコいい気もしますが、純粋なカッコよさではジェームスですね。
逆にファッションだ!
小菅村にはオリジナルのTシャツがあります。来村者への販売もしているのですが、村民も着ています。村を歩くとこのTシャツを着ている人をよく見かけます。
もちろん普通に着て勝負してはジェームスには勝てないでしょう。スタイルが違いすぎます。そこで僕が選んだ勝負の場は、今年の3月にオープンした道の駅こすげ内にある「源流レストラン」です。
ここを選んだのは僕にアドバンテージがあるからです。僕には衣料販売店でのレジ打ち7年の経験があります。絶対に様になると思うのです。7年という経験は裏切りません。必ず経験がカッコいいレジ打ちスタイルを作り出すのです。
経験が効率を重視してしまいました。数字をより正確に見ようと、首が前に出ています。一方ジェームスは爽やか。ヒゲが生えているのに爽やかというのがずるいです。僕が客なら、ジェームスの方に並んでしまします。でも、レジ打ちが早いのは僕です。今回の勝負とは関係ないですが。
滝にたたずむ
小菅村にはいくつもの滝が存在します。外国は知りませんが、日本には古来より滝に打たれるという修行方法があります。つまり滝に打たれる対決ならば、日本人である僕が勝てるかもしれません。なんせ、生まれも育ちもつくばですから。
二つの水が落ちる雄滝で勝負です。二つ同時に落ちているので、同時に打たれたいと思います。右に僕、左にジェームスです。僕にはカッコいい自信があるのです。
この日は雨が降っており、気温も低く、そもそも滝に打たれる自信がありませんでした。「滝に打たれるのやめませんか?」とジェームスに提案したら、「僕も思ってました」と受け入れてくれました。日本人と外国人が仲良くなれた瞬間です。もうカッコいいとかどうでもよくて、風邪を引くのが嫌なのです。
外国人はかっこいいけど
カッコよさを競ってきましたが、なかなか外国人には勝てませんでした。でも、ジェームスは彼女がいないそうです。僕には年下の彼女がいます。僕の勝ちですね。最後は心を一つに「滝はやめよう」となったので、日本と外国の壁がなくなった瞬間だったと思います。