私達が海外にいった際、異国情緒を感じるのはどんな時だろう。街並を見た時やごはんを食べた時だろうか。私は断然その国の言語を聞いた時だ。何を言っているのかはわからないが、外国に来たんだなとうれしく感じる。
そこで、日本に来た外国の方にも異国情緒を味わってもらおうと、すべて日本語で観光案内してみることにした。
現地の言葉で感じる異国
私達が海外に旅行にいった際、言葉が通じないということはよくある。英語以外の母国語は、勉強でもしていない限り、「ありがとう」くらいしかわからない。しかし、いかにも異国に来た感じがする。言葉は異国の象徴なのです。

外国語だらけだと異国感がある!
そこで、日本に来た外国の方を日本観光に連れ出す際、すべて日本語で案内してみようと思う。言葉が通じないからこそ感じる事のできる異国が、そこにはあるはずだ。

というわけで案内します
彼はメキシコから来たマリオさんだ。母国語はスペイン語で、英語はしゃべれるが、日本語は挨拶くらいしか話すことができない。私は母国語が日本語で、もちろんスペイン語は「こんにちは」と「ありがとう」程度しかしゃべれず、英語は勉強してきたが苦手、大学の研究員なのに英単語のテストで0点をとったことがある。

0点! どっちにしろ、英語も話せません

今日はよろしくお願いします。本日は日本語で1日案内します

・・・?
元気よく声をかけたがほぼ通じていないようだったので、とりあえず笑ってお辞儀をした。なんとなくほほえめば、なかよしだ。

とりあえず出発します!
いざ、富士山へ
どこに連れて行くか考えた末に、「富士山」を選んだ。やはり日本で一番有名な観光地といえば富士山だ。外国の方がよく富士山のTシャツを着ているし、FUJISANなら通じそうな気がする。

富士山に行きます!

今日は富士山に行きます!

FUJISAN? OH! GOOD!
さすが富士山。一発で通じた。しかし、どこにあるのか場所がよくわからないというので、サービスエリアで道を説明した。すべて日本語だったが、地図なので何を言いたいかはわかるようだ。

地図ならば日本語なしでわかる
日本語で説明する
目的地に車で向かう際に、無言でいるのもあれなので、日本について少し説明しようと思う。日本のことを知った方が、観光する時もいいのではないかという、優しい配慮だ。

まずは忍野八海に向かいます

日本に来て何が一番面白いですか?

???

なに 好き 日本?
バラバラにして聞いてみたが全く理解していなかった。バラバラにしたところで、日本語なので、まぁそうなるのも理解できる。彼はずっとトンネルで動画を撮っていた。トンネルに入る度に、だ。

トンネル・好き?

トンネル? トンネル haksjdaudkadfjlsduf スキ デス

良かった!トンネル スキですか! いいですよね!
母国語の部分はすべてわからなかったが、たぶん珍しいのだろう。

トンネルがかっこいいらしい
メキシコにはあまり山にトンネルがないらしい。この後すべての会話が「らしい」で成り立っていくのだが、なんとかなるものだ。大事なのは言葉ではなく伝えたいという気持ちなのかもしれない。
ただし、このときマリオさんは私の日本についての説明は2割くらいしか理解できなかったそうだ。

抹茶は日本語でも説明が難しい
クールジャパンの影響
そうこうしているうちに、目的地付近に到着した。最初は観光地の忍野八海を見に行った。しかし、外国の方も多く、英語やどこかの国の言葉が飛び交っていた。看板や地図なども英語表記が多く、日本にいるのに外国みたいだ。アメリカ映画の中の日本みたいな感じ。

日本人より外国人のほうが多い

忍野八海どうだった?

???

忍野八海 スキ?

スキ dhkjkh 忍 sjjdisauyd? ニンジャ?
何を言っているのかはわからなかったが、なんとなく忍野はどうしてこの名前なの? 忍者と関係あるの? と聞かれているらしい。

この漢字は知っているらしい
海外でもアニメ等の影響で忍者は人気らしく、みんなこの漢字は知っているそうだ。さすがクールジャパンの代表選手だ。他の人に聞いた時は「麺」を知っていた。日本人でも覚えてなさそうな漢字だが、都内にたくさんラーメン屋があるのでかっこいいと思って見ていたそうだ。

メキシコでもスーパーマリオは大人気らしい
話が戻るが、忍野と言う名前が「忍者」と関係あるのか調べたこともなかったのでよくわからなかった。知らないことは日本語だろうと、英語だろうと説明できない。もっと行く場所を調べておくべきだった。

どういうところかわからないと説明できない
わかりやすいもの
次にお昼を食べに道の駅に向かった。ここには外国の方が喜ぶ秘策があるのだ。

それがこれです!
富士山の形をしたコロッケだ。日本人が見るとすぐに富士山だ! となるフォルムだが、外国の方はどうだろう。

喜んでる!
これはすぐにわかったようだ。「FUJISAN、FUJISAN」と喜んでくれた。水を飲むコップも富士山で、これを見せた瞬間に彼は神に何か祈っていた。日本人のおもてなしに感動していたのかもしれない。

こういうわかりやすいものがうける
いよいよ富士山へ
だいぶん日本語のみでのコミュニケーションに慣れてきたので、いよいよ富士山を見に行こう。もう話すこともなくなってきたし、なんとなく私のコミュニケーション能力に限界が近づいてきた。変な日本語を教えてごまかすが、なぜか変な日本語のほうがすぐに伝わる。

変な言葉はなぜかすぐに伝わるし、うける

では、FUJISAN、見ます

FUJISAN!

カワグチコ フジサン チカイ スゴク

はい、わかりました
なぜか私の方の日本語がカタことになってきている。最後の方はよっぽどマリオさんの方が流暢に日本語を話していた。日本人は外国人に話しかけられるとだいたい片言になる人種なのかもしれない。

はい富士山
わかりやすく喜んでくれた。富士山スゴイ! と日本語で喜んでくれた。こんなに喜んでもらえるのに富士山の情報もあまり知らず、上手に説明できない。日本語、英語とかの問題ではないような気がしてきた。

そもそも富士山の知識が不十分
必要なもの
今回の旅行でわかったが、英語とか日本語とか観光する人によってはあまり関係ないことがわかった。気持ちが通じれば意外と日本語でもいける。それよりも、日本の文化や情報をちゃんと知らないことのほうが問題だと思った。また今度遊びに来てくれた時にはきちんと日本語で案内してあげたいと思う。

オリンピックまでにはがんばって練習しよう!