誰も考えたことすらないだろう。食卓から肉・魚、卵を含む動物性のものだけならともかく、穀物までも切り捨てた光景を・・・人は色々な物を食べる。バランスの良い食事が私達を作り、日々のエネルギーとなるからだ。
でも私達は1年間野菜を自分たちで作ってみて、大好きになった。前よりもずっと好きで、「野菜かわいい!食べちゃいたい!」となったのだ。大人になった今、少しだけこのわがままを許してもらい、大好きな野菜だけを食べてみようと五日間過ごせるか試してみた。
ルール確認
大好きな野菜を思いきり食べたい、大人だけに許された贅沢だ。大人になったらお菓子を思う存分食べるぞとか、コンビニの肉まん全部制覇するぞ、とかこどもの頃夢に見ていた。大人になったら自由になれると思っていた。
今回一年間自分たちの畑をもらい野菜を育てた。もう野菜かわいすぎて食べちゃいたいとなった。
そこで、野菜だけ食べて5日間過ごしてみることにした。これぞ大人の贅沢だ。好きな物を好きなだけ食べられる自由を、今、私達は手に入れたのだ。しかし、リスク管理も私達大人の努めだと思い、参加する3名でルールを決めることにした。
1日目
我々3人の一日三食のうちの一品を日ごとに掲載している。もちろんそれ以外の食事も野菜だけだ信じてほしい。こう見てみるとまるでダイエット中の人みたいな食事である。
炭水化物がなくお腹が膨れないということで、おかずの数攻め(左)汁物(中)、オシャレ(右)で各々工夫を凝らした。目を喜ばすというのも立派な戦略だ。皆で共通したのは暖色のニンジンで食卓を彩ったことだ。ちなみにニンジンは師管が肥大したものだ。かわいい。
2日目
すでに3人中2人は手作りに飽き、お菓子とサラダで攻めてみた。大学生らしいチョイスだ。じゃがりこはジャガイモが主原料ということで、立派なベジタブル生活の一品といえる。ある友人が「そもそもイモ類って野菜といえるのか」と言ったのに対し、「ジャガイモはナス科だぞ、ナスは野菜だろ、なら文句は言わせん。」と返した我々農大生。
ちなみにたけのこはイネ科です。
3日目
3日目、そろそろお肉が食べたくなってきた。お肉の偉大さを感じてきた。若者に肉なしなんて、犬に待てしたままエサあげないくらいの拷問なのだ。
右端の写真にハムがのっていますがご安心ください、食べてはおりません。しかしこんな細切れのハム数枚で苦渋の選択を迫られるとは・・・・
食卓に穀類と肉類がない野菜生活ではあるが、不思議と空腹に苦しむことはない。お腹いっぱい食べても体が軽く、健康的な生活を送っているという実感がわく。
ちなみに安いハムの色素はコチニールカイガラムシからとったものなのだそうです。
4日目
おい、真ん中の奴ピザ食べてるじゃないか!と言われるのは覚悟しておりました。とある友人に「アメリカではピザは野菜らしい、とりあえず野菜のってるしトマトソース塗られているからなんだと」と聞いたのを思い出し、ではこの際検証してやろうじゃないかと食べてみた。結果・・・ピザはどうひっくり返っても野菜ではなかった。がそう言ってしまうアメリカの自由さにどこかあこがれを感じた。
5日目
野菜生活最終日ということで野菜たっぷりのお鍋で締めてみた。
白菜、エノキ、ネギ、シイタケ、豆腐を具材に豆乳ベースのお鍋に仕上げた。肉がないのはさみしかったが、五日間で最もうまい一品であったことは言うに及ばない。
あっという間に平らげてしまったが我々だが、あの鍋のうまさだけはずっと思い出の中で味わえそうだ。
一度はやってみる価値あり!
野菜が大好きで食べちゃいたいという気持ちだけではじまったこの企画。やっぱり途中で挫折しそうになるくらいつらかった。自由とは茨の道なのだ。でも、最初は如何なるものかと冷や冷やしていたが最後は鍋だけに丸く収まったのではないだろうか。
やはり大変だったことといえば、飽きないレシピ調節や周りのみんなが肉魚類、穀類を食べる中で自分たちだけが野菜だけを食べるという環境だった。
ピザに関しては若干横道にそれてしまった感があるが、野菜だけの生活を一度は試してみる価値があったと思う。我々にとって食と農への感謝は大きな収穫であった。
まあ、次の日めちゃくちゃ肉食べたけど。
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(企画・撮影・文:源流大学応用コース実験班)