こちらは東京農業大学多摩川源流大学プロジェクトのガイダンス記事です。
授業の内容については下記の記事に詳しく記載しておりますので、そちらをご覧ください。
第1回目ガイダンス記事はこちら→http://genryudaigaku.com/archives/6581
第2回目ガイダンス記事はこちら→http://genryudaigaku.com/archives/6600
履修の手引き修正情報
履修の手引きP18にある特別講義Bコース、Cコースの開講曜日に関して訂正があります。
Bコース基礎コースは「水曜日」開講、Cコース応用コースは「火曜日」開講です。
手引きでは逆になっているので、訂正いたします。(2020.4.28修正)
注意!
*今年度に関しては授業内容が一部変更になる可能性があります。
*授業開始日などについては農大の公式サイト(https://www.nodai.ac.jp)をご覧ください。
*情報はすべて2020年5月11日現在の情報です。
*前期のオンライン授業移行に伴い、前期分の実習は全て中止です。履修者には情報をだしますので、しばらくお待ちください。
地域に行き、農作業や地域の体験をする時に、一番大切なこと。それは態度と服装です。礼儀正しい態度はもちろんのこと、服装がチグハグだと地域の人に「あいつやる気あるのか」と思われてしまいます。
そこで、今回は地域に入る際のワンポイントアドバイスや作業するときや体験活動の時の服装についてお知らせしたいと思います。
地域に行くということ
皆さんは今まで地域に行くというと、観光や帰省が主だったのではないかなと思います。農作業体験などを修学旅行や林間学校で体験したことがある人もいるかもしれません。
初めて行くという方もいるかもしれませんね。地域の人って怖くない? どんな格好で行けばいいの? と不安な方のために地域で気をつけるポイントやどんな服装で行けばいいか、実習の事例を交えてご紹介します。
はじめに地域に入る約束として3つの必ず守って欲しいルールをご紹介します。
それは、「大きな声で挨拶する」「時間を守る」「自分で考えて行動する」です。小学校の朝の会で確認するスローガンのようですが、これがとっても大切です。
1つめ「大きな声で挨拶する」
1つめは「大きな声で挨拶する」です。地域に行くと住民、行政、企業、市民団体、専門家など様々な方に出会います、人と会った時に、必ず元気よく大きな声で挨拶をしましょう。挨拶をすることで、お互い打ち解けるのも早く、気持ちよく活動を共にできます。
「おはようございます」「こんにちは」だけではなく「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と言った挨拶が言えるかどうか、最初は恥ずかしいかもしれませんが、ここで第一印象が全然違います。特に年配の方は耳の遠い方もいるので大きな声で挨拶しましょう。笑顔も忘れずに!
2つめは「時間を守る」
2つ目は「時間を守る」です。農作業や体験の際、時間を守れないとどんどん作業が遅れてしまいます。また、一人で作業しているわけではないので、チーム全体に迷惑をかけることにもつながります。地域の方と作業する際は5分前に行っても、なんならその10分くらい前から準備している、または作業しているなんてこともあります。
それだけではなく、例えば休憩時間終了後になっても戻ってこない方などがいると、スタッフはどこかで怪我して動けないんじゃないか、迷子になってしまったんじゃないかと心配します。大騒動に発展するケースもありますので、気をつけましょう。
3つ目は「自分で考えて行動する」
3つ目は「自分で考えて行動する」です。一度作業内容を講師から説明し、チームで作業に取り組んでもらいます。その際、みんなで協力することはもちろんですが、次に何をするか、どう自分が動くか一人ひとり考えて作業にあたることが望まれます。
これにより、作業効率が上がり早く作業が終わるだけではなく、作業自体の仕上がりも良くなります。講師に教えてもらった技術をどのようにやりやすくできるか、工夫しながら作業することも大切です。その時の工夫やアイディアが、今後の生活に役立ったり、研究のヒントになったりするかもしれません。
ご紹介した3つのルールは基本的なルールです、別に今更言われなくても皆さん守れているかもしれませんが、意外とできていないものです。意識して行動するだけで、地域の方の評価がうなぎ登りです。
地域に入る際の心構え
それ以外にも、地域に入る際は「他人の家、土地にお邪魔している」ということを忘れないでください。村の中を大声で歩いたり、勝手に畑に入ったりすることはマナー違反です。許可を得て畑に入る際も端を歩き、できるだけ土を固めないように注意しましょう。皆さんの目には見えてないかもしれませんが、畑の端まできちんと計画され使われています。作物がないように見えても、埋まっているだけなのかもしれません。
植物の採取や山菜狩り、キノコ狩り、昆虫採取などにも注意が必要です。気持ちはわかりますが、必ず許可を得た場所で行ってください。また、保全のために一箇所から大量にとらない、採った場所を公表しないなどの工夫も必要です。最近ではネットに写真を載せると盗掘にあったりします。ものによって特定の場所とわからないように配慮し、位置情報をオフにして投稿するようにしてください。長く自然を楽しむ際の基本のルールなのでぜひ覚えましょう。
地域の方と話す際は、まずよく聞きましょう、そしてわからない言葉や単語はどんどん聞き返して大丈夫です。わかったふりをして話を進めると、あとで大変なことになる場合もあります、聞くことは恥ずかしいことではありません。もちろんある程度知識を入れて地域を訪れた方が話していることが理解できて、より深く聞くことができるので楽しいです。名人や達人がたくさんいるので、ぜひ積極的に話しかけてください。
たまに若い方で、知っている知識を地域に押し付けようとする方もいます。地域の方が実際に体感してきた技術や経験は、専門家でも舌を巻くほどの時もあります。無理に知識を押しつけず、まずは話を聞いてみてください。最近ではインターネットも発達しているので、多くの情報を地域の方もすでに知っています。
服装について
地域に入る準備ができたら、次は服装や持ち物についてシーンごとにご説明します。服装を整えることで、安全に作業ができるだけでなく、作業しやすく楽になりますので、今後も農業体験したい人はこれを機に揃えておくといいでしょう。もし買うのはな〜という人は持っている服で工夫してみるのも勉強になりますよ!
農作業時の服装は基本的に長袖長ズボンがいいでしょう。これは虫や草や、夏の暑さなどから体を守ってくれるからです。作業着などがある学科の方はそれで大丈夫です。ない方は、綿素材の長袖長ズボンでゆったりしたものを準備するといいでしょう。中に体を冷やす下着やTシャツを着ている方もいますが、基本的に作業中は長袖です。休憩時間などに涼むときは半袖になってもかまいません。
たまに高校の時のジャージやジーパンで参加する方もいますが、本格的な作業になると意外と暑いので、ご注意ください。モンペのようなゆったりした形で、綿素材のものが動きやすさも暑さ対策にも最高です。また、黒系の色や黄色系など色のはっきりしたものを着ていると虫が寄ってきやすいです。経験談ですが、虫が苦手な方はベージュなど色の淡いものを選ぶといいようです。
農作業に潜む危険
農作業時一番気をつけなくてはいけないのは、熱中症と虫刺されです。刃物で怪我するなどもありますが、学生の皆さんが一番気をつけなくてはいけないのがこの二つです。実習ということで無理をしたり、帽子を被らなかったり、バイトで深夜まで働いてから実習に来たりして、具合が悪くなる方が必ず毎年います。こちらでももちろん対策は取っていますが、一人ひとりが気をつけなくてはいけません。
そしてもう一つがハチやブヨなどの虫刺されです。スズメバチなどは羽音が大きく、巣に近付いたり、慌てて大きく動いたりしなければ、そんなに刺されることはありません。怖い場合はそーっとその場を離れてください。
これより厄介なのが「ブヨ(ブユ)」という虫です。体長は3mmから5mmほどのい小さな黒い虫です。きれいな水のところにしかいないとされる指標昆虫なのですが、とにかく刺されると蚊の何倍も厄介だと思ってください。
涼しい時間帯や川など水場に出てくるようで、畑作業をしているとどこからともなくやってきます。小さいので気づきにくく、足首などが出ていると噛まれてしまいます。蚊と違って皮膚を噛み切り吸血するので刺された箇所の真ん中に傷が残り、血が出ていることも。刺された箇所は人によって違いますが、最も腫れると周辺がパンパンになるくらい腫れます。そしてめちゃくちゃ痒い!
私は以前刺されて、2ヶ月くらい痒く、腫れ、ついに皮膚科に飛び込んだ過去があります。みなさん注意してください。対策としては、長めの靴下を履き足首を出さない、虫除けをする、皮膚がなるべく出ないように隠すしかありません。
刺された際の救急知識も薬もありますが、刺されないように気をつけるためにも服装はきっちり守ってください。新しいものを買う必要はないので、古くなった洋服などうまく活用してくださいね。
源流体験の服装
源流体験とは、小菅村の源流部の川に行き、川登りをしながら、自然や水源について学んでもらう授業です。源流の川の中では自分の身は自分で守るという当たり前のルールがあります。そのためには格好も重要です。一番下に水着、その上に水切れのいい長袖長ズボン、足元は長い靴下、川用の靴(滑り止め付きの靴でも可)、その上に捨ててもいい長い靴下、手には軍手という服装で来ていただきます。靴の上に履く靴下の理由は、川の石につく苔で滑らないようにするためです。百円ショップの大人用などで大丈夫です。必ず忘れないようにお願いします。
源流体験に潜む危険
源流体験ではとにかく寒さに気をつけてください。真夏でも水温が15度から18度ほどしかありません。長時間川に入り、テンションが上がっていると自分の体が冷えていることに意外と気付かない人もいます。低体温症などに陥る危険もありますので、自分の体力や冷えたら一旦川から上がり体を温めてください。
また、川の中には水が洗濯機のように回転して浮き上がれなくなる箇所や、思いっきり深い場所もあります。そもそも源流の川は流れが早く、足をとられてしまうことも。歩き方や危ない箇所はスタッフの注意をよく聞いて近づかないようにしましょう。少しの水があれば人は溺れてしまう事を忘れずに!
森林体験の服装
森林体験は今まで紹介した3つの体験の中で一番危険を伴う作業です。脅すわけではありませんが、そのくらい注意してほしいという事です。森の中に入るときも畑作業と同じく長袖長ズボンでお願いします。足元は作業によって異なりますが、底の滑る靴や、薄いものはやめましょう。落ち葉に滑ったり、枝を踏み抜いてしまう恐れがあります。森林作業は寒い時期を予定しているので、防寒具、特に足元の寒さ対策もお願いします。
森林体験に潜む危険
森林作業は最初にも言ったように気を抜いていると危険な作業です。上から枝が落ちてきたり、倒れてきた木にぶつかったりしないように、周囲の状況をよく観て、危ないところからはすぐ避難できるようにしておきます。安全に作業するためのヘルメットの貸し出しや装着指導は行いますので、ご安心ください!
これあると便利! というもの
最後に、持ち物でこれもあると便利だよというものをご紹介します。まずは作業の時は基本外にいるので、気になる方は休憩するためのレジャーシートを持ってくると良いでしょう。また、近くに水道がない場合もあるので、お手拭きなどを持ってきてください。
その他、今までの農大生の方は拾ったものや植物を入れる採集袋やゴミ袋、図鑑、夜歩くときに使うヘッドランプなど持ってきています。通常の持ち物は源流大学の手引きに記載してありますので、そちらをご確認ください。また持ち物に関して不安な時はいつでも事務員にご相談ください。
最終ガイダンス終了
これで全3回の源流大学授業ガイダンスは終了です。皆様お疲れ様でした。これを読んで少しでも源流大学受けてみたいなとなってくれれば嬉しいです。最後に一つだけ持ち物でアドバイスなのですが、地域に行く際にキャスター付きバッグ、いわゆるガラガラ、を持ってくると道が舗装されていなかったり、坂が多かったり、場所をとってしまったりと結構大変です。もしこれから準備する方はザックタイプのカバンにする事をお勧めします。
ガイダンス資料として今後お配りする源流大学のオリジナルてびきもPDFにて公開しております。ぜひ参考にしてみてください。
源流大学のてびき→20200511
授業を受けた卒業生の声はこちらの記事をどうぞ
→http://genryudaigaku.com/archives/456
実習の様子はこちらの記事をどうぞ
→「若い男女がキノコ達人を目指す」
http://genryudaigaku.com/archives/273
→ひたすら芋を植える日曜日は幸せか
http://genryudaigaku.com/archives/310
→源流の水はなぜあんなに冷たいのか
http://genryudaigaku.com/archives/770
→都内で村のPRをした話
http://genryudaigaku.com/archives/1724
注意!
*今年度に関しては授業内容が一部変更になる可能性があります。
*授業開始日などについては農大の公式サイト(https://www.nodai.ac.jp)をご覧ください。
*情報はすべて2020年5月11日現在の情報です。