街はクリスマスですね。キラキラのイルミネーションが町中にきらめき、恋人達も楽しげに街にあふれています。それはもうそこらじゅうに。
羨ましい限りです。いつの世も恋人達はキラキラ輝いています。昔の若者もそうだったのか、山梨県小菅村のおばあちゃん達に聞きに行くことにしました。
恋人達の季節
街はすっかりクリスマスムード一色、恋人達が輝く季節がやってきました。それはもうそこら中にハートが飛び交う季節です。
羨ましい限りです。私もキュンキュンしたいお年頃ですが、とりあえず自分にはそんな胸キュン話はないので、人の話でキュンキュンしようと思います。
ばっちゃん達に恋愛話を聞く
若者に話を聞いても、キュンキュンするどころかムカムカする気がするので、もっと年配の方に聞こうと思い、山梨県小菅村のおばあちゃん達に聞きに行くことにしました。昔の話であれば素直に聞ける気がします。
この建物は小菅村の老人介護ホームとして建てられた希望の館です。しかし、村では元気な老人が多く、隣同士のつながりが強いので見守りもしっかりしていて、施設に入らず家で生活している人が多いので、現在はデイサービスとして利用されているそうです。
元気なおじいちゃん、おばあちゃんは週に2回サロンというサークルのようなものに参加し、工作や運動、おしゃべりを楽しんでいます。今回はそこにお邪魔して恋話を聞きます。
私がお邪魔すると、おばあちゃん達は折り紙でサンタを折っていました。私も顔を描くのをお手伝いします。描くときに手が震えるからと、どんどんサンタが持ち込まれます。おばあちゃん達は、誰かに会いたくて震えているわけではないようです。
なぜか男の顔と女の顔描いてといわれました。出来上がりを見てみるとペアになっています。サンタまでアベックです。ちっ。思わず舌打ちが出ます。
恋愛結婚は少なかった
おばあちゃん達に昔の恋愛話を聞こうとしたのですが、多くの方が「年頃になったら親が決めた人と結婚した」ということでした。そういう時代です。
全く知らない人ではないのですが、あの人か〜ということもあったようです。
簡単な仕組みを説明すると、年頃になると、集落の仲人さんのところに親が行って、誰かいい人はいないかと相談するそうです。そうすると仲人さんが受けている相談の中から、ちょうどいい人を紹介してくれるそうです。どんな人物かを把握している集落の長だからこそできる仕事です。
小さな恋の話
そんな中、恋愛をしていたおばあちゃんの話を聞くことができました。この世代の恋愛話は貴重だから!と全員興奮気味です。本人も真っ赤になってまるで乙女のようです。いつまでたっても女は乙女なのです。
花も羨む16歳、デパートで働いていた少女はある日、一人の男子から小さな紙を渡されます。しかし恋を知らない16歳。怖いと思い、思わずその男性を拒否してしまいます。それでも何度もそのデパートを訪れる男性。
少女は困り果てて、先輩に相談します。すると「男に恥をかかせてはいけない」と先輩にアドバイスされ、ついに手紙を受け取ります。そこから文通が始まります。家族のことや色々なことを話すうちに、その男性が誠実で素敵な人だとわかってきて、少女も初めての恋心を知ります。
文通により親密になった二人でしたが、戦争により二人は離れ離れになってしまいます。それでも彼の弟さんが、彼の代わりに近況を知らせてくれることになり、文通は続きました。文通は3年間続きましたが、会ったのは5回ほどだったそうです。
しかし、このお話は残念ながらここで終わりです。色々あって結ばれなかった二人ですが、今でも「あなたの笑顔をいつも空間に描いています。各々の使命感により強く生きてください。あなたの前には永遠の幸福が待っていることを祈っています。」というラブレターにあった言葉を、その後の人生でも胸に刻んで生きてきたそうです。
乙女なおばあちゃん達
この話を聞いたおばあちゃん達は、みんな「いいなー」、「きゃー」「今夜は眠れない!」と今の乙女達と全く同じ反応です。そんな可愛いおばあちゃん達が一番の胸キュンポイントのような気もします。かわいい。
若者の恋愛相談
そんな百戦錬磨、胸キュンおばあちゃん達に、若者の恋愛相談をしてみよう!ということで、ネットや大学で恋愛相談したいことを募集しました。おばあちゃん達の回答は私の方でまとめさせていただいています。
相談1
相談1(10代女性)
すぐに彼氏に飽きてしまうのですが、長い間夫婦でいて飽きたりはしませんか?
おばあちゃん達の回答
飽きてしまうということ自体、恋愛や結婚に対する覚悟がないと思う、もし飽きそうになったら、相手や周りの人、家族、子供など色々な人のことを一度立ち止まって考えてみて。
相談その2
相談2(20代男性)
自分は11歳上の女性と付き合っていますが、アドバイスはありますか?
おばあちゃん達の回答
恋愛は自由だから好きならいいんじゃない。昔は1歳上の同じ集落の女性は金のわらじで探せとも言われたし、姉さん女房はいいとされていたの。ただ、相手の歳を考えて早めに行動することや、ずっと終わりまでいる時のことをしっかり二人で考えておきなさい。
相談3
相談3(20代男性)
ずばり!どういう男性がもてますか?
おばあちゃん達の回答
笑顔が素敵なこと、誠実であること、仕事を真面目にやること。後これが一番大事なんだけど、多少遊びを知っていること。やっぱり多少遊び人の方が女性には魅力的にうつるね。
おばあちゃん達の恋愛話を聞いて
おばあちゃん達から恋愛話を聞くと、時代や土地の違いはあっても、やはり恋する乙女は今も昔も可愛かったんだな〜と思いました。
色々な意味で胸キュンできる時間でした。これでクリスマスに浮かれる恋人にも優しくなれそうです。
そういえば、ラブレターの彼のような誠実な人がモテるという話もありましたが、なんとその彼は偶然にも農大生だったそうです。
もしかしたらおばあちゃんが実習に来る農大生をみて、胸キュンを思い出しているかもしれないのは、私達だけの内緒です。
取材協力:山梨県小菅村サロンのみなさん
本当にありがとうございました!