その辺の砂浜で拾った昆布で出汁をとる

コラム
落ちていた!

出汁(ダシ)というものがある。味噌汁も、煮物も、ラーメンだって出汁があるから美味しいのだ。出汁を使わないで作れば、それは床のない家であり、動物のいない動物園なのだ。出汁こそが料理の全てと言えよう。

そんな出汁は「昆布」などでとる。そして、その昆布は買うもの、と思っていたけれど、昆布はその辺にもある。砂浜に打ち上げられているのだ。ということで、その辺の昆布で出汁をとってみようと思う。

出汁というもの
昆布や煮干し、鰹節などで我々は古くから出汁をとってきた。料理にもよるが人それぞれに好きな出汁があるだろう。たとえば味噌汁なら、煮干しで出汁を取ったものが好きな人、昆布の出汁が好きな人など、出汁にも好みがある。

今回は昆布出汁のお話です!

今回はそんな数多くある出汁の中から「昆布」に注目したい。味噌汁やうどん、煮物などに欠かせないのが昆布出汁だ。利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布など、北海道を中心にいろいろな昆布が、我々に素晴らしい出汁を提供してくれている。

スーパーにはたくさんの昆布が並んでいる

昆布は通常、買うものである。スーパーに行けば必ず棚に昆布が並んでいる。この中から値段などを考慮して買うわけだ。ただ考えて欲しい。昆布なのだ。その辺の砂浜に行けば打ち上げられているはずなのだ。

ということで、北海道の砂浜に来ました!

砂浜の出汁
海に行くとよく昆布が打ち上げられている。打ち上げられて時間が経ったものは、乾燥して出汁を取る昆布のようになっている。もはやこれは売っている昆布と変わらないのではないだろうか。ということで、せっかくなので昆布の産地、北海道の砂浜を訪れた。

浜辺を歩いていると、

めちゃくちゃ落ちている!

オホーツク海で育った昆布である。たぶん買ったら高いやつだ。それが高速道路の軍手のように普通に落ちているのだ。しばらく晴れが続いた日だったので、乾燥している昆布も落ちている。出汁だ、出汁だ。出汁祭りだ。

長いのも、

落ちていた!

その場で落ちている昆布をかじったら、間違いなく昆布だった。濃い昆布の味が口の中に広がる。絶対に出汁を取ったら美味しいやつだ。だって私の口の中がもう出汁味なのだ。いま私とキスをした食通は唸ると思う、美味しくて。

かじると、

美味しいのです!

拾っていいのか確かめる
打ち上げられ乾燥した昆布をいくつか拾って近くの港を訪ねた。打ち上げられた昆布とはいえ、海産物なので勝手に持って帰ると密漁的なやつになるかもしれないと、思ったからだ。最近は何かと怖いから。

漁港で、

確かめました!

漁港で作業する漁師さんに「砂浜で昆布を拾いまして、持って帰っていいですかね?」と声をかけたところ、「いいよ、そんなものいくらでも持って帰ってよ」と言われた。これで確認は取れた。私は無料で昆布を手に入れたのだ。問題は出汁を取った時に美味しいかだけど。

ということで、持って帰ってきました!

味噌汁を作る
その辺の浜辺で拾った昆布を持ち帰り味噌汁を作ることにした。無料だ!!! と喜んでいるけれど、果たして美味しいのかが問題だ。無料は嬉しいけれど、我々は常に美味しいものを求めているのだ。

鍋に水を入れて、

昆布を投入して、

しばらくすると、

旨味!!!!!!

透明だった水にキラキラの色が付いている。これ美味しいやつだ。旨味の色だ。無料のその辺の砂浜で拾った昆布が旨味を出している。輝いている。眩しくてサングラスが欲しい。果たして本当に美味しいのだろうか。

美味しい!!!

その辺の砂浜産の昆布出汁が美味しい。北海道まで拾いに行ったけれど、昆布で有名な砂浜ではない。その辺の砂浜だ。その昆布で取った出汁が美味しいのだ。あの砂浜の私とキスをしなくても、食通はこれを飲めば唸れると思う。

味噌を入れまして、

味噌汁の完成です!

出汁と味噌のいい香りが部屋中に立ち込めた。そして、飲んでみると間違いのない味だった。優しい味。出汁が生きている。出汁がピチピチしている。味噌を引き立てている。美味しいのだ。その辺の昆布はめちゃくちゃいい仕事をするということだ。

美味しかった!

その辺の昆布
砂浜で落ちている昆布を見るたびに、これが食べられたらな、と思ってはいたのだけれど、行動に移すことはなかった。そして、ついに行動に移すとめちゃくちゃ美味しい。なんで今までやらなかったのか、と後悔するレベルだ。食はその辺の砂浜にあり、なのだ、きっと。

カニのかけらもあった!

網走観光協会
http://www.abakanko.jp/

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