普段、髪を洗う時は、シャッンプーで洗う。そのあとにコンディショナーなどを使うことになると思う。ドラッグストアやスーパーに行けば、悩むほどのシャンプーが売られているのだ。
マダガスカルにはシャンプーの木と言われているものがある。「ウンカリーナ」という植物で、その葉っぱを水につけると、トロトロの液体になり、それがシャンプーとなるのだ。ぜひ洗ってみようと思う。
シャンプーは「いち髪」派
シャンプーにこだわりを持つ人は多いのではないだろうか。男性と比べると髪が長い、女性は特にだと思う。テレビCMを見ていても、シャンプーのCMにはよく女性が登場している。
私もまた同じだ。シャンプーには強いこだわりを持っている。「いち髪」を使っているのだ。初めていち髪に出会った日、それは衝撃だった。自分から「女の匂い」がするのだ。悶々とした夜を過ごしたのを覚えている。
そんなわけでシャンプーは買うものだと長く思ってきた。いち髪に出会う前も、シャンプーは必ず買ったものを使っていた。その辺に生えているもので髪を洗ったことなどないのだ。しかし、世界は広い。買わないシャンプーもあるのだ。
シャンプーの木
アフリカのインド洋に浮かぶマダガスカル島には、「シャンプーの木」と呼ばれるものが存在する。「ウンカリーナ」という植物で、日本でも買おうと思えば、買うことができる。秋には黄色い花が咲くそうだ。
この「ウンカリーナ」の葉っぱを水に数分つけておくと、水がドロドロとしてくる。現地の人はこの水でシャンプーをするそうだ。いち髪でもなく、ラックス スーパーリッチシャイン シャンプーでもなく、ウンカリーナなのだ。
髪を洗う
この葉っぱをもらうことができたので、家で実際に髪を洗ってみようと思う。いち髪を使って数年、髪グルメの私を満足させることのできる、シャンプー具合なのだろうか。私は髪グルメなのだ。シャンプーにはうるさいのだ。
水がトロトロになるまでには数分かかる。その数分が待てずに服を脱いでしまった。その甲斐あって、水はトロトロになった。脱いだことを正当化するために「その甲斐あって」と書いたが、脱がなくても水はトロトロになる。脱ぎたかったのだ。
水はトロトロになるだけではなく、若干黄色くなっていた。シャンプーらしさがでてきたのではないだろうか。多くのシャンプーは色が付いていて、トロトロしている。共通点が多いのだ。
この日は朝から埃っぽいところにいて、髪がゴワゴワしていたのだけれど、このシャンプーのおかげだろう。驚くほどに指通りが良くなる。シャンプーというより、油に近い感じだ。
「イエス、イエス」と自然と口から出てしまった。一般的なシャンプーと違い泡立ちこそないが、髪を洗っている感じは十分にする。シャンプーとコンディショナーを一緒にやっている感じだ。これ、なかなかいいのではないだろうか。
ウンカリーナで洗おう
シャンプーの木があるのは知っていたけれど、実際にどうなるかは知らなかった。洗ってみると、一般的なシャンプーのようにいい匂いがする、みたいなことはなかったけれど、髪はサラサラになった。世界で一番現実的なシャンプーなのではないだろうか。悪くない。本当にサラサラになるのだ。
取材協力:一般財団法人 進化生物学研究所 → Webサイトはこちら!