お正月の風物詩「福袋」。中でも例年人気を集めているのが、Appleの福袋「ラッキーバッグ」である。毎年1月2日に発売されるのだけれど、大晦日から行列ができるほどの人気だ。
そんな大人気のラッキーバッグだけれど、2016年は発売されない。2015年12月の終わり頃に発表されたニュースだ。しかし、そのニュースに気づかず、並んでいる人がいたりしないだろうか。それを見に行ってみようと思う。
ラッキーバッグの悲劇
1月1日、ヨドバシカメラの福袋は、多くの人が行列をなしていた。人気の福袋は列をなすのだ。そして、毎年人気だったのが、1月2日にAppleが発売する福袋「ラッキーバッグ」である。数に限りがあるので、欲しい人は大晦日から並んでいる。
ラッキーバッグの去年の値段は「38800円」。しかし、iPad miniや、MacBook Airが入っていたりと、福袋の値段よりも価値が高くなるのがお決まりだ。Appleの商品は若干高いので、このチャンスに並んでも買いたいという気持ちはわからなくはない。
しかし、2015年12月25日、一本のニュースが報じられる。「2016年はラッキーバッグを発売しない」というものだ。何年もの間、大人気だったラッキーバッグがなくなるのだ。でも、間違って並んでいる人がいたりしないだろうか。
行列はあるのか
人には習慣という物がある。「おはよう」と言われれば、「おはよう」と返すようなことだ。ラッキーバッグも2004年から販売が始まったので、もはや習慣の人もいるだろう。そんな人がラッキーバッグの発売がないのに、並んでいたりするのではないだろうか。
行列はあった。確かに数は少ない。ただ2016年1月2日7:40分、ラッキーバッグの発売はないのに、並んでいる人がいるのは確かだ。例年なら8時にラッキーバッグは発売されるが、今年はないので10時開店。いつものAppleストアなのだ。でも、並んでいる。
行列をなす理由
並んだところで、ラッキーバッグはないし、特別に変わった商品があるわけでもない。でも、行列はできている。私も行列に並ぶと、Appleストアの店員さんが出てきて、「ラッキーバッグの発売はありません」と説明にやってきた。
やはりラッキーバッグはないのだ。しかし、実際問題として並んでいる人がいる。全員が30代の男性だった。なぜ並んでいるのだろう。話を聞いた。
なぜならんでいるんですか?
お正月の習慣として並んでいます!
でも、ラッキーバッグの発売はないですよね
そうなんだけど、毎年1番に並んでいるから、今年も並びました
お話を聞けば、ラッキーバッグがないのは当然知っているけれど、Appleの商品が大好きで、毎年ラッキーバッグに並んでいたので、今年も並んだそうだ。
何か買うんですか? と聞くと、とりあえずAppleストアの店内をグルっと回って帰ります、と言っていた。どんだけAppleが好きなのかと驚く。
ちなみにこの方は九州在住でラッキーバッグのために、25日に東京にやってきたそうだ。その夜に噂レベルであったラッキーバッグ発売なし、が正式にニュースとなる。ただへこたれることなく、並ぶことにしたそうだ。本日も朝5時から並んでいる。
別の方にも話を聞くと、その方も朝6時から並んでいるそうだ。やはりAppleが好きで、毎年並び、毎年だいたいiPodが入っているそうだ。
例年は何時から並んでいるんですか?
大晦日からです
ラッキーバッグがなくなってどう思いましたか?
家でお正月を迎えられると思いました!
ラッキーバッグがないことで、家でお正月を迎えることができる。若干だけど嬉しそうに聞こえた。毎年だいたいiPodが入っているので、今年は普通にiPodを買おうかな、と続けていた。並ばなくても普通に買えるやつだ。
Apple好きはすごい
ラッキーバッグの発売はなくなったけれど、並んでいる人はいた。Appleが大好きで、ラッキーバッグに並ぶのが習慣になった人たちだ。並んだところで、いつものAppleストアだけど並んでいる。すごい。
私はカフェで時間を潰し、10時少し前にAppleストアに戻った。すると、行列は伸びていた。店員さんに話を聞くと、さすがにラッキーバッグがあると勘違いして並んだ人はいないそうだ。ただ正月の習慣として並んでいる人が多いとのことだった。
長野を感じて
私も並んだので、開店と同時にお店に入り、ケーブルを買った。わざわざ並ばなくても買えるやつだ。今年は並ばないと買えない商品なんてないのだ。ただ並んでしまったから、何か買わなきゃと思った。そして、お店を出て、Appleのマークを見ていると思う。
今はまだリンゴの季節。Appleのラッキーバッグはないけれど、リンゴを胃袋にたくさん詰め込めば、それはもはやラッキーバッグなのではないだろうか。ラッキーストマックだけど。
そう思い、今度、長野に行くことにした。銀座にいても、どこか別の地域のことが浮かぶ。そんな私は素敵なナイスガイなのだと思う、2016年も。