学校や地域等の特定の場所でおこる不思議なことを7つ集めた『七不思議』は、昔から多くの人に伝えられ、語られてきました。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?7つすべて集めてしまうと良くないことが起こるとも言われています。
農大の七不思議
東京農業大学にも七不思議があります。124年も学校をやっていれば、いくらでもうまれては消えていくのです。私も長らく大学にいるのですがちゃんと7つ調べたことはないので、今回思い立って調べてみることにしました。
我が校で一番のビックイベント『収穫祭』がたまたま開催されているので、そこで調査することにしました。収穫祭は戦時下以外続けられてきた農大の学園祭で、今年で124回になります。
多くの団体、先輩が一同に集まるイベントですので、有益な情報が得られると思います。
食品安全健康学科統一本部
パンフレットを見るとどこの団体も面白そうな展示・発表をしているのですが、その中でもまず目にとまったのは、食品安全健康学科統一本部が行っている「味の不思議」という展示です。
まさに不思議について調べている団体がありました。まさに奇跡。こちらでは人の味覚の研究等を発表していますが、七不思議についてもきっと知っているでしょう。
なにか農大の七不思議について知っていることはないかと尋ねたのですが、誰もが知らないとのこと。味についての不思議は知っているのに、農大の七不思議については知らないなんて。
よく聞くと、この学科は新設されたばかりの学科で先輩がまだいないとのこと。だいたいの七不思議は先輩方から伝えられるものなので、知らなくてもしょうがありません。
代わりにこの展示では「ギムネマ茶」という不思議なお茶が体験できます。このお茶を飲んでからチョコを食べると、甘さを感じなくなるという不思議体験が出来ますのでぜひ行って試してみてください。
食料環境経済学科研究室会
次に訪れたのは食料環境経済学科研究室会の展示です。ここでは食料環境経済学科の研究室が各々の研究室活動を発表しています。
研究室の発表だけあって、冊子が厚く内容もぎっしりです。こんなに真面目な学科なら真面目に七不思議を伝承しているのではないでしょうか。
研究に忙しいのか、なかなか七不思議の話しを聞くことが出来ません。研究内容については何時間でも聞けると思いますので、ぜひ行って学生に話しを聞いてみてください。
発酵食品サークル和醸会・蔵人の会
研究室の展示を回ったので、研究内容以外は教えてもらえなかったのかもしれません。そこで、次は有志団体に行ってみることにしました。
そこで、発酵食品サークル和醸会・蔵人の会の展示会場にきました。ここでは身近な発酵食品の紹介やその素晴らしさなどについて聞けます。
今年は農大に通う全国の酒蔵等の息子さんや娘さんで作った有志の会『蔵人の会』ともコラボレーションしています。お父さんやお母さんが農大生なら何か聞いたことがあるかもしれません。
代表の大高くんは「日本の伝統文化である醸造・発酵等を学びたい、もっと多くの人に知ってもらいたい。」とすてきな夢を教えてくれました。ぜひ源流大学でもコラボしたいです。しかし、七不思議については何も知らないようです。その伝統も残してほしいものです。
収穫祭環境対策委員会
次に収穫祭環境対策委員会の展示を見に行きました。ここでは収穫祭でどのような環境対策が行われているか、来場者にご協力いただいているリサイクルの成果等が発表されています。
収穫祭の全ては知っていても、農大の七不思議についてはまだ知らないようです。
長く続いてきた部活なら先輩達から聞いた噂があるのではないでしょうか。次は部活系の展示を回ってみます。
文芸部
早速文芸部に来ました。文芸部は毎年一人の作家や作品にスポットを当てて紹介しているのですが、今年は「鹿の王」でも有名な上橋菜穂子さんの展示を行っています。
七不思議も、ある意味文芸作品と言えるのでここならきっと情報が得られるはずです。
ここでも七不思議を聞くことは出来ませんでした。残念です。何か七不思議を即興で作ってもらえないか聞いたところ、「文芸部が無料で配布している文芸誌を全て手に入れると幸せになれます」とのことでした。皆さんぜひもらいに行ってください。
ここまで来ると農大には七不思議はないという新たな不思議がうまれそうですが、どこかの団体で聞くことが出来るはずです。次です。
視聴覚部
次は視聴覚部に来ました。視聴覚部では通常の映像や写真の展示だけではなく今年から公開ラジオを行っています。ラジオなら七不思議を集めたコーナーがあるに違いありません。
しかし、残念ながらそんなコーナーはないし、DJの方も聞いたことないようです。ちなみに視聴覚部さんは編集作業中あと1秒の編集が三日間続くという不思議はあるそうです。たいへんです。そんな苦労した作品も見れますのでぜひに。
もう農大に知っている人はいないかもしれません。とりあえず公開収録は収穫祭期間中11時から会場内でやっていますのでぜひ聞きにいってみてください。
農村調査部
もうあきらめようと思っていたのですが、一つくらい聞かないと帰れないなと思い、もう一度頑張って調査することに。ちょうど農村調査部があったので、調査してみます。
農村調査部は農大らしい部活の一つで、毎年テーマを決めて調査に行っています。今年は伝統野菜について調べています。ここならなにか知っているかもしれません。
色々な調査はしていても、やはり農大の七不思議は知らないようです。かわりに部活の七不思議として、部室の広辞苑がなくなったという話しを教えてくれました。七不思議なのか疑問なところです。
書道部
もうこの際、誰でもいいから知らないかなと思い、次は書道部へ。展示も圧巻なのですが、書道パフォーマンスも11時と14時から行っているそうです。墨の香りに癒されます。
長い伝統を誇る部ですが、七不思議については全く知らないようです。書にしたためて後輩に伝えていてくれればと思いますが、口で伝えていくのがこういう伝説のいいところなので、あきらめることにします。
邦楽部
次は邦楽部です。和楽器の体験や演奏を聴くことが出来ます。今までの経験からいうと伝統のある部でも「知らない」と学んでいますが、一応聞いてみます。
やっぱり知らないようです。琴の美しい音色に心奪われて先輩方の話しを聞いてなかったのかもしれません。真相はどうであれ知らないものは知らないのです。
華道部
もう農大には七不思議はないのではないかとあきらめはじめました。七不思議が伝わってないというあらたな七不思議の誕生です。少しがっかりしていると花のいい香りが風にのって来ました。
華道部は会場全体の装飾も作品ということで力を入れている団体です。周りの黒いシートは作品を際立たせるだけでなく、農業用マルチをはることで農大らしさをアピールしているそうです。
ここに来てついに七不思議について聞いたことがある人が出てきました。「華道部の部室に昔新聞部があった」という話です。これは華道部に代々受け継がれている話で、様々なパターンで伝わっているようです。
これでようやく1不思議です。9団体に聞いてはっきり聞いたという人が一人。このペースで行くと全部集まるのに63団体に聞くことになります。今回は65団体が出展しているので、全団体に聞けば7つ集まるかもしれません。
バイオロボティクス研究室
ここで気づいたのですが、学年が上にあがれば上がるほど七不思議を知っているようなのです。そこで、大学院生の方がいる展示に行ってみることにしました。
バイオロボティクス研究室では農業機械の展示を行っています。農機に乗ることもでき、乗るときにやさしい男子学生が手を貸してくれます。満足してもう七不思議を聞かなくてもいいかなという気分になってきます。
ここで院生の方に有益な情報を聞くことができました。実は農大には現在ユリの木広場と呼ばれている芝生広場があるのですが、ここには数年前まで1号館という講義棟がありました。そこが一番の七不思議ポイントで「どこにもつながっていない階段」や「謎の手紙が貼られている掲示板」などの伝説があったのです。
ここ数年で農大の施設が新しく建て変わっているので、それに伴い七不思議も消えていってしまったようです。寂しい気もしますが、もしかしたら数年後には新しい七不思議がうまれているかもしれません。
抽選できます
まだ生まれていない七不思議を探るのは諦めて、抽選会場にやってきました。実は団体ごとに会場で押してもらえるスタンプを集めると、10回で1回ひけるスタンプラリーの抽選会に参加できるのです。抽選では農大グッズや協賛企業の商品が当たります。また、全団体を回ると全団体賞としてすんごくいいものがもらえますので、是非皆さんチャレンジしてみてください。
七不思議についてはよくわからないままだったのですが、どの展示も面白くて、大変勉強になりました。皆さんもぜひ収穫祭にいらした際は文化学術展をまわってみてくださいね。
明日へ続く
協力してくださった文化学術展本部の皆様、団体の皆様本当にありがとうございました!