人は誰しも、美しくおいしいケーキが大好きです。ケーキの丸の中には幸せがぎゅっと詰まっているのです。
そんな幸せいっぱいのケーキを作りたいたいと思います。ケーキが作れる乙女になりたいのです。しかも、さらに乙女度をあげるために花いっぱいのケーキを作りたいと思います、多摩川で。
ケーキを作れる女
ケーキは、見る者を幸せに、食べた人を幸福にしてくれる魔法の食べ物です。みんなが大好きなケーキを作れる女になれれば、みんなにケーキを作ってあげることも出来るし、人気者になれるのです。ケーキを中心に人々がアリのように私に群がってくるでしょう。
しかし、私は残念なことに料理が作れないのです。以前おでダシに具を入れるだけのおでんで失敗したことがあり、分量や行程の多いお菓子づくりは夢のまた夢です。
そこで、デコレーションだけでも自分でかわいく作って、「ケーキ作ったぞ」と自慢したいと思います。オリジナリティを出すために、野に咲く花のようなケーキを目指します。
多摩川で材料集め
野に咲く花のようなケーキを作るために、野に咲く花を求めて多摩川にやってきました。クリームや飴細工で花などを作るのは難しいので、実際に野にある花を摘んでケーキに飾りたいと思います。
多摩川はちょうど春を迎え、様々な花が満開です。できるだけ、人が通らない場所に咲く食べられそうな花を選びます。お花を摘む行為もかわいく感じます。隠語で花を摘むってトイレに行くことですが、今日は本当にお花を摘むのです。
多摩川を歩いていると、たいてい目立つ花は外来の植物です。植物達の美しくも激しい生き残りバトルを感じます。食べられるかどうか調べながら慎重に摘んでいきます。毒素を持った花もあるので必ず調べてから採取するようにしましょう。
多摩川の花いっぱいケーキ
せっかく天気もいいので、多摩川の近くの公園で早速ケーキを作っていきたいと思います。イギリスの貴族もやたらとピクニックに行きます。それと同じと考えて下さい。室内の作業をあえて外でやることこそ乙女道なのです。
まずは、丁寧に水で洗い、花だけを取り出します。何度も洗うことで花が多少減りますが、気にせず洗っていきます。落ちた花を求めて鳩達も集まってきて、ますます乙女チックです。
次に、花をそのままのせるのも芸がないので、もっとかわいくするために砂糖漬けを作ります。砂糖漬けとは花に卵の白身と砂糖をつけたお菓子のことです。
キラキラに輝きだします。
土台の準備
花の準備ができたので、土台のデコレーションをしましょう。こちらもかわいく、野の花の土台にふさわしいデコレーションを目指します。
オレオって土っぽいよなと常日頃から思っていたので、よかれと思って撒いてみたのですが、もう土にしか見えません。他の方はうまくアレンジに使っていたのですが、センスがないのか、どんどん土臭くなってきます。
しかも、よかれと思って、緑を足そうとミルメークのメロンをかけたらもっとひどいことになりました。花畑というより苔の生えた校庭の隅みたいなものが再現されてきました。どんどん理想とする素敵なケーキから遠のいています。でも花をのせれば挽回できるはずなのです。頼んだぞ、花達よ。
一ついい訳をすると、この日は、5月初旬にしては猛暑日で、砂糖漬けがべたべたとけてしまい、どうみても花の墓場みたいな物が完成してしまいました。あと外で作ったのも敗因です。外で作業なんかするもんじゃないですね。よく言えばワイルドフラワーという所でしょうか、ワイルド要素やや多めですが。
ワイルドすぎるケーキを食べる
せっかく出来上がったので食べてみたいと思います。アリのように人々が群がるかと思っていたのですが、これを見せることは自分の心の闇を見せるような物だと思い、河川敷に行き、そっとひとりで食べることにしました。
見た目はまだまだですが、春のうららかな日に外でお花のケーキを食べると言う乙女チックな夢は叶いました。もう少し腕を上げてから乙女チックなケーキづくりに再チャレンジしたいと思います。