小中学校の校庭においてある二宮金次郎の像は非常に勤勉な人の象徴として昔から日本人に愛されてきました。あの勉強方法は本当に効率的なのか、昔からの疑問を解決するために夏休みの自由研究として研究してみました。
結論から言うと「あの勉強方法はなしだな」という非常にわかりやすいものなのになりました。
江戸時代の地域おこしのパイオニア
二宮金次郎と言えば、江戸時代の農村改革や地域改革をした偉人で、今で言う地域おこしを行っていた、私達の大先輩にあたる方です。
幼少の頃、山仕事をしながら勉学に励んでいる伝説の姿が小中学校に、勤勉の象徴として銅像になって飾られています。一休さんと同じくらい伝説を持つ人物ではないでしょうか。
最近では、その姿が「ながら歩き」(何かをしながら歩くこと)で危ない、ということで銅像が撤去されたり、座った姿にされたりとインターネット等でも話題になっています。
本当に金次郎さんの勉強方法で勉強できるのか
危ないかどうかはさておいても、あの勉強方法で果たして勉強できるのか、子どもの頃からずっと疑問に思っていたので、夏休みを利用して研究してみることにしました。
調査方法
調査方法として、受験生の強い味方『キクタン』を使用し、金次郎の勉強法を含む3つの勉強方法を試して、各勉強方法終了後テストを行いました。
始める前から、地球は一つ! くらい分かりやすい結果が目に見えますが、がんばります。
金次郎スタイル
まずは金次郎さんの方法で勉強してみます。本を読み勉強しながら、薪を拾います。このとき薪を背負子いっぱいに拾うまでの時間をはかっておきます。
金次郎スタイルでは勉強できない
圧倒的敗北で0点でした。事前の知識が影響しないように、私の一番苦手な英語、しかもSuperという超難関大学受験用を使用したのですが、難しすぎて一つも覚えられませんでした。足元が気になり、薪を集めるのにも、勉強するのにもどちらにも集中できません。
そもそも「foe(敵)」なんて、一生使わないかも知れない単語です。
金次郎さんはよく、この状況で勉強できたなと感心しました。地域を良くしたいというモチベーションがあったからか、とも思いましたが、私も大学に勤めている身で0点は恥ずかしいという大きなモチベーションがあったのにこの結果。
集中スタイルの勉強法
次に、先ほど計った金次郎スタイルの時間をもとに、最初に集中して薪を集め、終わったら残りの時間集中して勉強するという、集中スタイルの勉強方法を試してみました。
先ほどまでと違い、薪を集めるのも楽で、勉強も驚く程はかどります。スイスイと頭の中に入ってくるので、先ほどまでと違い自分が天才になったような不思議な感覚になれます。
現代の勉強法
最後に、現代で流行っている勉強方法を金次郎さんにも教えてあげようと、聞くだけで勉強できる方法を試しました。金次郎スタイルでかかった時間、薪を集めながら、イヤフォンで繰り返し英単語を聞きます。
聞いているとつい英単語を口ずさんでしまいます。楽しく勉強できるのです。私も英語しゃべれてる、これで海外にも通用するプロゴルファーになれる、と感じることができます。大声で英単語をリピートしているのでクマよけにもなるでしょう。
なんとか2点とれたので結果には満足ですが、スペルが全くわからないので、薪集めさえしなければ本読みながらもっと点数がとれたのに、と本末転倒な気持ちがわいてきます。
結果を模造紙にまとめました
結論としては、金次郎さんの勉強スタイルは全く効率的ではない、むしろ勉強できないという結論に達しました。そして、これは自由研究なので、模造紙に今回の結果をまとめました!
後日談〜自由研究の研究〜
この記事は渋谷のクリエイティブラウンジMOV内のイベントスペースaiiima(アイーマ)企画で8月22-30日まで開催された、自由研究の研究というイベントで発表されたものです。
おかげさまで、審査員賞の『デイリーポータルZ賞』、『chioben賞』、来場者の投票で決まる『来場者人気賞』の3賞を受賞することが出来ました。
ご協力いただいた山梨県小菅村の皆様、本当にありがとうございました。