人は誰しも、誰かのヒーローになりたいと思っています。誰かの役に立ったり、守ったりして感謝されたい生き物なのです。それは一方から見ると、自己満足の世界かもしれませんが、誰かから言われる「ありがとう」その一言の為に人は生きているのです。
私もそんな人間になりたいと思い、日本一大きな湖「琵琶湖」に行き、外来種であるブラックバスを釣って、食べて減らすことでそこに住む在来の動植物を守りたいと思います。琵琶湖のヒーローになりたいのです。
琵琶湖外来種問題
外来種とは、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことです。その土地の生態系や経済にも大きな影響を与えるとして問題になっています。
琵琶湖でも北米原産のブラックバスやブルーギルなどが1960年代半ばから増え始め、生態系保護の観点等から大きな問題になってきました。そのため、外来魚を釣り人に駆除してもらう「外来魚釣り上げ名人事業」など、様々な対策を講じてきました。
外来魚も生き物なので、可哀想な気もしますが、そこは心を鬼にして駆除しなくてはいけません。私も外来魚釣り上げ名人になりバンバン駆除して琵琶湖のヒーローになりたいと思います。釣りは初めてだけれども。
琵琶湖でブラックバスを釣る
釣り初心者の私ですが、琵琶湖はブラックバスに困っているくらいなので、バンバン釣れると思います。巣鴨に氷川きよしを投入するくらい入れ食い状態になるはずなのです。
琵琶湖にさえ来ればバンバン釣れると思っていたのですが、釣れません。魚が泳いでいるのは見えるのですが、スルーされます。駅前で配っていたのがチラシだけだった時のように華麗なるスルーなのです。
場所を変えて、沖島へ
一匹でも釣らないとヒーローにはなれません、ただの下手な釣り人です。そこで、もっと釣れそうな場所を地元の方にきいて行ってみることにしました。
沖島は近江八幡市の沖合1.5kmに浮かぶ小島で約350人が住んでいる有人島です淡水湖では日本で唯一の有人島になります。島には小学校等もあり、のんびりとした自然を体験できる場所です。
6月初旬の沖島はバスを釣る穴場スポットで、人も少ないので釣りやすいよと教えてもらいやってきました。景色もいいし最高です。みんなに教えてあげたいけど、教えたくないくらい良い島です。
ここでもたくさんの魚の影は見えるのですが、みんな私の竿はスルーです。私の竿に注意書きでも書いてあるのかな、というくらい避けていきます。島中歩いて釣りをしてみますが、全然釣れません。私の初心者パック1,780円の竿は全く火を噴かないのです。
やっと外来魚が釣れた!
もう、私はヒーローにはなれないのだ、誰も笑顔にする事は出来ない、とあきらめ、糸を引き上げると驚くべきことに、釣れていました。
ブルーギルと言う魚で、こちらもバスと同じく生態系に悪影響を及ぼす外来魚です。小さすぎて気づいたら針についていたのでまったく釣り上げた実感はないのですがとにかく1匹ゲットです。私が誰よりも笑顔になりました。
ブルーギルも食べられるのですが、小さすぎるため、食べずに外来魚駆除ボックスにいれて駆除しようと思います。島には駆除ボックスがありませんが、琵琶湖の釣りスポットにはたくさんありますので、釣った方はここにいれましょう。
ブラックバスを食べる
バンバン釣って駆除してヒーローになれると思ったのですが、初心者すぎてうまくいきません。そこで、沖島で作られているブラックバスを使った料理をいただくことにしました。
ブラックバスのミンチとおから等が一口大のコロッケになっており、島をお散歩しながら食べられます。船着き場近くの漁港にある食堂で注文すると、揚げたてを出してくれるので、熱々でおいしいです。
少しだけ駆除に協力できたので、うれしいです。おいしくてにこにこ、貢献できてにこにこ、にこにこの相乗効果です。
さらなる場所を求めて湖南へ
ここまで来るとどうしても釣って貢献したいので、さらに釣れると言われていた琵琶湖の南、湖南エリアへ移動します。よそものコロッケも食べたし、何となく釣れそうな気がします。ヒーローも一度は挫折した方が盛り上がるのです。そういうことです。
その途中で験を担ぐために、大津サービスエリア下り線の「パヴァリエびわ湖大津」にて外来魚を使ったガツントメニューを食べたいと思います。
こちらおうみ屋さんで食べられるのは、琵琶湖のバスを使った「びわ湖BASSバーガー」です。バーガーってもう響きが美味しいと思うんです。口の中によだれがでる日本語という本があれば絶対に掲載されています。
バスの白身がサクサクにあげられており、タルタルソースとの相性もばっちりです。そして何と言ってもパンがフワフワさくっとおいしくて、バスの魚臭さがそもそもなく、さらに小麦の香に包まれているので全く気になりません。
琵琶湖博物館で学ぶ
湖南地域のいくつかのおすすめスポットでも釣りをしてみたのですが、やはり釣果はあがらず、やはり私に釣りは早かったのかなと思いはじめました。ローマと同じく、釣りも一日にしてならずです。まずはブラックバスがそもそもどんな魚なのか学んだ方が良さそうです。
この琵琶湖博物館は琵琶湖の湖畔烏丸半島にあり、琵琶湖や周辺の自然や生活等について学ぶことが出来る博物館です。2016年7月にリニューアルオープンしてからは、楽しい仕掛けや展示などで、誰もが楽しく学ぶことが出来ます。
ブラックバスの生態や影響等を学び、改めて琵琶湖の生態系の維持に一役かえないかという思いが沸々と沸いてきました。
琵琶湖博物館のなかには「ミュージアムレストラン にほのうみ」があります。ここでは滋賀県の美味しい食材などを利用した定食などを食べることができるのですが、ここになんとブラックバスを使った丼もあるのです。
ブラックバスをサクサクに揚げ、天丼にしてあるこちらの丼。ブラックバスを釣るならどんどん食べたいなと思うほど、美味しいです。釣って貢献は出来なかったけど、食べて貢献は出来そうです。
釣れなかったけど食べて貢献
私のバンバン釣って駆除してヒーローになる夢は叶いませんでしたが、美味しくブラックバスを食べて、少しだけ貢献することはできました。誰でも最初は小さな一歩です。
琵琶湖にお越しの際はぜひ、外来魚など琵琶湖の危機をみんなで学んで、美味しく楽しく貢献して下さい。
滋賀県観光情報→WEBサイト