食材の宝庫「北海道」。北海道に来れば必ず美味しい物と出会えると言われているほど、どこに行ってもおいしい食材で溢れています。私にとっては天国のような場所です。
そんな夢の王国に、「別海ジャンボホタテバーガー」というメニューがあるそうなのです。ジャンボで、ホタテで、バーガーとくれば食べに行かないわけにはいきません。早速食べに行ってきました。
夢の食材王国
北海道は日本の食料自給率を支える、食材大国です。北海道に来ればどの地域でも美味しい物を食べることができます。海の幸はもちろん、畜産や農作物などもあり、食材で溢れているのです。食いしん坊にはたまらない聖地です。
東京で行われるデパートの物産展も、おいしいチーズケーキも全て北海道がついていれば間違いありません。北海道自体が一つのブランドなのです。「北海道=おいしい」と変換しても、間違いはないかもしれません。
北海道にはジャンボホタテバーガーなるものも存在します。それは北海道の「別海町」のグルメです。別海町は、世界自然遺産で有名な知床や、昆布で有名な羅臼などを有する道東エリアにある、生乳生産量日本一の町です。
牛乳のためのメニュー開発
別海町は生乳生産量が日本一の町です。摩周湖のおいしい伏流水を飲み、広大な牧場でのびのびと生活している牛たちの牛乳は味も良く、飲みやすいのが特徴。水よりも飲みやすく、ゴクゴクいけます。
そんな別海町自慢の牛乳を、もっと多くの人に飲んでもらおう、と牛乳の消費拡大を担えるような地産地消メニューの開発が2008年にはじまりました。そして、地域の皆さんが考え出したのが、「別海ジャンボホタテバーガー」なのです!
別海町の野付産ホタテは大ぶりで、知る人ぞ知る逸品なのですが、それを使ったご当地バーガーは、必ず牛乳とセットで提供され、単品では注文できません。牛乳とパン、家が隣同士の幼なじみなら必ず恋に落ちる組み合わせです。
別海ジャンボホタテバーガーとは
食べる前に、観光協会の山内さんにジャンボホタテバーガーの歴史や概要、その美味しさについてお話を聞きました。ただその間、私のお腹は鳴りっぱなしです。わたし胃が4つあるのかな、というくらい空いています。牛のようです。
別海ジャンボホタテバーガーは、自分で組み立てるのが特徴だそうです。別海で見ることのできる四角い太陽をイメージした四角いバンズに、オリジナルのソース3種類を順番に塗り、ジャンボホタテの入った春巻き、野菜、マリネ、チーズなどを挟むとのこと。作る作業も幸せへの助走かもしれません。
ついにご対面!
とにかく食べたい、とお話を聞いたあと、すぐに「レストランはまなす」さんへ。店内にはテーブル席と座敷があり、座席には漫画が壁一面にあります。グルメ漫画が多いので、待っている間に読むと、よりお腹がすきます。
早速ジャンボホタテバーガーを注文します。すると、セットになっている牛乳のサイズが2種類あり、500mlがいいか、300mlがいいか聞かれます。500mlといえばペットボトル1本分です。しかもジョッキできます。もちろん500mlで頼みました。
おいしいです。食べるとパンの甘みが広がり、サクッとした春巻きの中から、じゅわわーとホタテのエキスが染み出ます。甘味噌ベースのソースがマリネの酸味と相まっておいしいです。北海道の幸せをぎゅっとまとめた感じです。
そしてここ、はまなすさんではハンバーガーのサイドメニューも豪華なのです。クリーミーなパスタで、これでもかと牛乳に合わせたメニュー。なんならハンバーガーよりジャンボです。
はしごする幸せ
あまりにも美味しかったので、山内さんにお聞きすると町内5件のお店で食べられるということで、お願いしてもう一軒いくことにしました。次に訪れたのは「ポークチョップの店ロマン」さんです。お店の名前がすでに美味しそうです。
ロマンさんは食券を買うスタイルです、ここでもジョッキ牛乳のサイズは選べます。もちろん500ml一択です。こうなれば牛一頭分牛乳を飲みたいと思います。来世では牛乳パックに生まれ変わりたい気分です。
30分前にはまなすさんで食べたのとはまた違うおいしさです。揚げたてサクサクの春巻きには幸せも詰まっています。とろけた別海産のモッツァレラチーズが口の中でミルクの風味を広げるので、これまた牛乳がすすみます。
すでに500ml飲んでいるのに、スイスイ牛乳が体に染み込みます。砂が水を吸い込むようです。これから牛乳を飲むときは、できるだけジョッキで飲むことにしようと思います。
もう一軒行きたい
もう一軒だけ行きたいということで、最後に訪れたのは「ジャンボ双葉」さんです。実はここの大将である日下さんが、このジャンボホタテバーガー&ジョッキ牛乳の仕掛け人なのです。
しかし、行ってみるとちょうど昼休みの最中でした。残念です。それでも、せっかく来たのだからと夜の仕込みでお忙しい時間帯にもかかわらず優しく迎え入れてお話を聞かせてくれました。別海の牛乳のように優しさにあふれています。
大将の日下さんは、もともとお寿司屋さんなのですが、別海のために何かしたいという熱い思いを持っていて、この牛乳とバーガーのセットを売り出すことに積極的に参加されてきたそうです。
地域の食材を多くの方に知っていただくためには地域が一丸となって取り組むこと、地域でその食材に出会える場所を作ることが大切だとおっしゃっていました。
そんな積極的なPRにより、食イベントなどでも何度も大賞を受賞し、殿堂入りまでしているジャンボホタテバーガー&ジョッキ牛乳は、現在も多くのイベントに引っ張りだこだそうです。
地域の良さを売り出す
様々な食材がハーモニーを奏でるこのジャンボホタテバーガー。提供しているお店の方や街の方の思い入れが熱くて、素直に感動しました。
地域の人の、地域をなんとかしたいという思いがギュッと詰まったこのバーガー。全部地元食材でまかなえる北海道のすごさを見せつけられた気がしました。
取材協力:別海町観光協会