多くの植物を栽培している農大に勤めていても、男性から花束をもらう事はなかなかないものです。特にバラの花束は大変高価なのでめったにもらえる事はありません。深紅のバラの花束を抱えた男性が現れ、花束を差し出してくれるのは女性なら誰しも憧れるシチュエーションではないでしょうか。
ある日突然、源流大学の事務室に背負子を背負った王子様が現れてバラの花束を1,000本持ってきてくれました。1,000本です。1,000本・・・。多すぎです。
バラで何する?
多すぎるバラはロマンチックとはほど遠い存在に変わります。皆さんもよくご存知のようにバラは傷みやすいので、早めになんとかしなくては・・・と大量に学生や教職員のみなさんに配らせていただきました。
それでも600本ほど残ってしまいました。そこで普段できないようなバラを使った実験をしてみる事にしました。
バラといえば
バラといえばまず想像されるのは「くわえる」ですよね。イケメンはみんなバラの花をくわえています。イケメンと言えばバラ!バラと言えばイケメン!ということで源流大学のライターである地主先生にバラをくわえていただきました。
さすが地主先生はバラが似あいます。一本は余裕です。もっとくわえたらもっとイケメンに見えるのでは・・・ということで、次のような実験をしてみました。
実験1:人はバラをくわえるほどイケメンに見えるようになるか
仮説:バラは人を引き立たせる効果があると考えられるため、バラの本数が増えるほど、よりイケメンに見えると思われる。
実験方法:バラを1本ずつくわえて写真を撮影する。本数が増える度にイケメンに見えるか考察する。
実験材料:バラ、人、カメラ
結果:本数が増える度にイケメンよりもバラが気になり始めるため、イケメン度があがったかはわからない。どんなにイケメンでもバラは10本くわえるのが限界で、口の端が痛くなる。そもそもイケメンの定義をはっきり決めていなかった。
考察:地主先生ががんばってくれたのですが、バラが思いのほか重く、そんなにくわえられませんでした。
次はバラといえばやっぱり「棘」ですよね。バラにはつきものですし、棘があるという危険な香りがバラにはよく似あいます。そこで次の実験はこれです!
実験2:バラの棘はどこまで刃物の代用になるのか
仮説:バラの棘は鋭いので、結構痛い。そのため画鋲や刃物の代用として使えるのではないかと考えた。
実験方法:バラの棘をとり、2−3日乾燥させる。硬く乾燥したところで、針、ナイフ等の代わりに使えるか試す。
実験材料:バラの棘、写真、パネル など
結果:バラは画鋲の代わりには十分なる。ただし、壁が硬いと折れる。また、ペーパーナイフの代わりにはならない。すぐ折れます。大根おろしはおろせる。意外とよくおろすことができる。多少粗いですが美味しくいただけます。
考察:バラの棘はやはり指に刺さると痛いです。この実験中もだいぶ指に刺さりました。美しいバラには棘があるものです。棘がある危うさがバラの美しさをより引き立てています。バラの画鋲は下に落ちて踏んでも痛くありません。
さて、最後の実験は長年の皆さんの疑問に答えようと思います。
実験3:バラの花びらは何枚あるのか
普段みんなが気になっているバラの花びらが何枚あるのか、どのような配列で重なっているのかを調べてみました。
仮説:バラ科の植物である桜等は花弁が5枚なので、バラの八重咲きも5の倍数であると考えられる。また、配列は昔から人々がバラの絵を描く時のように均等に広がっていると考えられる。
実験方法:
1、バラの花びらを一枚ずつとり、机に並べ数を数える。
2、バラの花びらを一枚ずつとり、とった場所の放射線上に花びらを置いていく。
実験材料:バラ、定規
結果:バラの花ビラはこのバラに限れば50枚から60枚程であった。その後の調査でバラの品種によって花びらの枚数が違う事がわかった。また、バラの花びらは均等についているわけではなく偏りがある事がわかった。
考察:皆さんもぜひバラの数を数えてみましょう。新しい発見があったり、なかったり。バラの花びらが均等についていないのは何か理由がありそうですので、植物の形態・構造にくわしい先生に今度聞きにいってみます。
実験が終わったら
よだれでべとべとになったバラもきれいに洗い、花びらも全てドライフラワーにしました!あんなにたくさんあったバラもドライにすると少なく感じます。またこれでなにか素敵なものを作ろうと思います。
皆さんもお花をもらったらぜひ形を観察したり、実験したりしてみてください。
王子様ありがとうございました!また良いものもって来てくださいね。
このバラは下記の記事で使ったものです。
バラ1000本でプロポーズしてみる(http://otoko.zwei.com/society/2014/12/article_000219.html)