北九州市という場所がある。福岡県にある政令指定都市だ。一部では「修羅の国」などと呼ばれ、非常に危ないところというイメージもあるのではないだろうか。しかし、実はとても平和で天国みたいに素晴らしい場所なのだ、私の出身地だし。
そこでぜひ北九州市の素晴らしさを知って欲しいと思う。平尾台、皿倉山、門司港など最高すぎる観光地が揃っているのだ。北九州市に行けば「修羅の国」なんて思わない。むしろ平和と希望の夢の国と思うはずなのだ。
北九州を知っているかい?
北九州と言えば、中学校の地理の教科書に必ず載っている「北九州工業地帯」で有名な場所だ。九州の玄関口であり、北九州があるから九州がある。いや、北九州があるから日本があると言っても過言ではない重要な場所なのだ。
北九州はジャニーズで言えば「嵐」、動物園で言えば「パンダ」、おにぎりで言えば「ツナマヨ」くらい誰もが知る場所だと私は思っていたのだけれど、世間はどうなのだろ。心配になり東京・渋谷で「北九州」について知っているかを聞いてみることにした。
驚くことにほぼ9割が北九州を知らなかった。「富山にあるんでしたっけ」と言っている人もいた。わずかに知っている人も「怖いところでしょ!」とか、「聞いたことはあるけど、何があるんですか?」とか、そんなのばかりだった。
最高の地「北九州」
渋谷の聴き込み結果をまとめると、北九州は「怖いところで観光地は特になく、行っても仕方がない富山にある街」ということになる。それは北九州を知らなすぎるのだ。行けばわかる。最高の場所なのだ。私がそれを紹介したいと思う。
私は北九州には詳しいのだ。なぜなら私は北九州で生まれ、北九州で育ち、現在も実家が北九州にあるのだ。転勤族なので途中で福岡の方や鹿児島、大分などに住んでいた時期があるけれど、心には常に北九州があると言っても過言ではない。なのでオススメの観光地を紹介します。
その1:関門トンネル人道
北九州と本州までの間には海がある。関門海峡だ。流れが早く当然泳いで渡るのは無理で、大きな船も通っている。ここを渡るには車で関門橋か関門国道トンネルを通るか、電車で関門鉄道トンネルを使うか、渡船に乗るか、ということになる。
関門海峡は歩いて渡るという選択肢もあるのだ。「関門トンネル人道」というものがあり、北九州の門司から山口県の下関までは歩いて渡れるのだ。もちろん海中トンネルを。歩行者は無料で、自転車と原付は20円となる。
全長780メートルなので歩くには苦ではないくらい。緩やかなスリバチ地形になっており、ひたすら直線。地元の人は車や天候の心配がないのでランニングに使ったりもしている。ただこの上には海が流れているのだ。そんな場所で県境をまたいでいるのだ。
海の下を歩くというのが優越感。しかも、県をまたいだ海中トンネルという点もテンションを上げる。さらに現在は門司側のトンネル入り口と下関側のトンネル入り口でスタンプを押すと、横断記念の記念証をもらえる。往復約1.5キロでもらえるので楽だ。
関門トンネル人道
北九州市門司区大字門司
http://www.gururich-kitaq.com/search/category/detail.php?id=139
その2:平尾台
日本三大、と言われるとトキメク。日本を代表する何かなのだ。その一つが北九州にある。「日本三大カルスト」の「平尾台」だ。カルスト台地は中学の地理の教科書に載っている。私は何度も行った。素晴らしき景色なのだ。心が洗われるのだ。
雨だった。厳密に言えば台風だった。何にも見えなかった。霧のみだった。ただむしろ幻想的で動く城的なものが現れるのではないかというドキドキが生まれていた。北九州の人々はポジティブなのだ。それも知っていただきたい。
ただそんな天候でも楽しめるのが、「平尾台」の魅力。先の関門トンネル人道もそうだったけれど、雨に強いのだ。平尾台には国指定天然記念物「千仏鍾乳洞」というものが存在する。全長は1200メートルで、照明は900メートルまでしかない鍾乳洞だ。
はっきり言ってめちゃくちゃ面白い。お金を払うと近くの売店で濡れてもいい靴に履き替える。靴は準備されているので手ぶらで言っても問題ない。なぜ濡れてもいい靴に履き替えるのか、それは千仏鍾乳洞内には水が流れているからだ。
道が整備された鍾乳洞はよく見るけれど、ここは自然なのだ。照明こそあるけれど、道には水がバンバン流れている。場所によっては膝くらいまであるところもある。水温は一年を通して、14度くらいだ。
900メートルまで水のある洞窟を進むと照明がなくなった。この先には滝があったりするのだけれど、水がさらに深くなる。懐中電灯で照らしながら進んだけれど、装備が甘く引き返すことになった。ここまででも十分楽しいけれど、フル装備で来るとさらに楽しい。
平尾台
北九州市小倉南区平尾台
http://www.gururich-kitaq.com/search/category/detail.php?id=29
その3:旦過市場
アーケード街は今では全国的に見ても珍しくない。ただその発祥は北九州。ちなみに北九州は、アーケード街以外にも、競輪、パンチパーマ、都市モノレール、バナナの叩き売りなどの発祥の地なのだ。どうだ、すごいだろう!
北九州の台所と呼ばれる「旦過市場」。魚屋、八百屋、肉屋、練り物屋など、ここに来れば夕食の材料は全て揃うと言っても過言ではない。細い通路の両脇に所狭しとお店が並んでいる。実際問題として狭いのか、川にお店が張り出している。
レトロな感じが漂う商店街なのだ。ここでは「カナッペ」を買って食べるのをオススメしたい。カナッペと言われると、クラッカーにチーズや魚卵を乗せたものを思い浮かべるけれど、北九州のカナッペはそんなヨーロッパの風が強くない。
旦過市場を歩けば、いくつかのお店でカナッペを売っている。自分の好きなカナッペを見つけるのも楽しみである。パンにという点がヨーロッパだけれど、そこに魚肉というのが日本に引き戻す。北九州の一般的なカナッペです。
旦過市場
北九州市小倉北区魚町4-2-18
http://www.tangaichiba.jp/
その4:いのちのたび博物館
今までのところ雨でも楽しめる場所が続いている。旅行に出かけて雨だとテンションが下がるけれど、北九州は雨でも楽しい。希望の街なのがわかってきたと思う。次に私がオススメしたいのが「いのちのたび博物館」である。
2002年に開館した博物館で恐竜をはじめとした様々な生物が展示されている。私は特に恐竜の迫力が好きだ。恐竜の骨格はもちろんだけれど、動くのだ。ディズニーランドの人形のように恐竜が動くのだ。
最近話題の「インスタ映え」のポイントとしてもこの博物館は有名。これだけ多くの大きな恐竜の骨格は絶対に映える。もちろん見ているだけでもテンションがあがる。スペースワールドを九州のディズニーランドと私は呼んでいたけれど、それがなくなる今、九州のディズニーランドはここだ。
いのちのたび博物館
北九州市八幡東区東田2-4-1
http://www.kmnh.jp/
その5:ひびき動物ワールド
雨に濡れても行きたい観光地もある。カンガルーと言われるとどこを思い浮かべるだろうか。オーストラリアとかだと思うけれど、今日からはそれは過去のものとしてほしい。カンガルーと言われたら「ひびき動物ワールド」を思い浮かべてほしいのだ。
ひびき動物ワールドには、カワウソやカピバラ、ポニーなどもいるけれど、北九州初心者は「とにかくカンガルーに特化した動物園」と覚えてほしい。上記を見たらわかるようにカンガルーがすごいのだ。グイグイくるのだ。
さらにここには世界的にも珍しい「イエローフーティッドロックワラビー」を見ることができる。いや、実は触れ合うこともできる。世界でも片手で足りるほどしか飼育しておらず、さらに警戒心も強く野生種を見ることも稀。つまり、ここは特別な場所なのだ。
彼らはここを自由に出入りできるので、柵の外にいる時は触れ合うこともできるのだ。とはいえ、警戒心が強いので、なかなかこっちに来てくれないのだけれど、中にはこちらに近づいてくれる心優しいイエローフーティッドロックワラビーもいるのだ。
毛がファーファーなのだ。フワフワの上がファーファーである。このように触れ合えるのは世界でここだけ。もう可愛くて仕方がない。しばらく観察していると全盛期の小田和正みたいなポーズを取っていた。可愛くて、言葉にならない。
ひびき動物ワールド
北九州市若松区竹並1006番地
http://www.kpfmmf.jp/hibiki_animal_world/
その6:皿倉山の夜景
平尾台が日本三大カルストだったけれど、北九州にはまだ三大がある。それが「新日本三大夜景」のひとつ「皿倉山」だ。ここからの夜景は100億ドルの夜景と言われている。日本円にすると「1.11994624兆円の夜景(2017年9月23日現在)」ということになる。
ケーブルカーからスロープカーを乗り継いで、標高622mの皿倉山の山頂に到着する。まだ日が暮れる前というタイミングに来て、夜景前の北九州を見て、夜景になった北九州を見比べるのがオススメだ。恋人と来ればかなりロマンチックだ。
山頂には日が暮れるのに合わせて、カップルやカメラが趣味の方々が集まって来ている。私も北九州に住み続けていれば、彼女とここに来たことだろう。いや、たぶんないな。一人で来ていたと思う。そこはどこに住んでいても変わらない。
綺麗だ。めちゃくちゃ綺麗だ。これからは寒くなり空気が澄みさらに美しくなるだろう。北九州は都会なのだ。工場や家々の光が美しく輝いている。これがなぜ修羅の国となるのか。来れば希望と夢の国とわかるはずだ。
皿倉山
北九州市八幡東区大字尾倉1481-1
http://www.gururich-kitaq.com/search/category/detail.php?id=39
その7:夜の工場
高いところから見る夜景も美しいけれど、北九州の夜は下からでも美しい。北九州工業地帯が夜を美しく彩るのだ。明るいうちの工場は男心をくすぐるけれど、夜になると工場は乙女心もくすぐるのです。
煙突がライトアップされてサイバーな感じもする。未来都市と言ってもいいだろう。北九州は希望と夢とサイバーな国なのだ。スチームパンクの方がもっとしっくりくるかもしれない。この景色を彼女と一緒に見れば、さらに美しいだろう。
工場を見ながら「堅パン」を食べるのもオススメ。大正時代に官営八幡製鐵所で生まれたお菓子で、とにかく堅い。子供の頃に親からこれを「カンパン」と言われていたので、大人になって他のカンパンを食べた時に柔らかい! と感じたほどだ。それほど堅い。
ただ甘くて美味しい。子供の頃はこれがおやつだと嫌だったけれど、大人になってから食べると大人の甘さでこの美味しさがわかる。北九州は大人の街なのだ。子供も楽しいけれど。誰もが楽しい平和な街なのだ。それを知っていただきたい。
延命寺臨海公園
福岡県北九州市小倉北区
http://maps.kosodate-fureai.jp/mapdata/602.php
俺の北九州に来い!
北九州の魅力がわかっただろうか。もっと他にも観光地はあるのだけれど、今回紹介したところだけで、食事なども入れたら、1泊2日ではキツいくらいだ。ただここを周っておけば間違いない。小倉駅前も楽しいのでぜひ歩いてほしい。全然修羅の国ではないから。住んでいた時に修羅の国だと思ったことなど一度もないのだ。ただ学力が高くて、高校受験の時にある意味、修羅の国だな、とは思った。
ということで、北九州は最高に楽しいところなので、ぜひ来てください! 私の故郷でもありますし、来ないのはもったいないです! 私の故郷でもありますし!
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