ウイスキーを炭酸水で割った飲み物「ハイボール」。居酒屋さんに行けば、必ずある人気の飲み物だ。ただし、水と比べると値段が高い。誰しも安い物が好きだけれど、水と比べればハイボールは高いのだ。
そこでどうにか安くハイボールが飲めないか研究をしたところ、非常に安い値段でハイボールを楽しむことに成功した。
ハイボールとは木
最近は「ノンアルコール」の商品をよく目にする。ノンアルコールビールがその筆頭だ。自動車の運転をしなければならない人などにとっては、ノンアルコールはありがたい商品と言える。
ハイボールにもノンアルコールがあるのだけれど、買うと高い。安ければ安いほど我々は嬉しいのだ。そこでどうにかならないか考えた結果、ある仮説ができた。
ハイボールを飲むと「木の匂い」と「炭酸」を感じる。というかそれしか感じない。ということは、木の匂いを嗅ぎながら、炭酸水を飲めば、それはもうハイボールなのではないだろうか。
そういう仮説だ。
木と炭酸水でハイボール
多くの人が気がついていないのだ。ハイボールとは「ウイスキーと炭酸水」ではなくてもいいのだ。「木と炭酸水」でもハイボールになるのである。この事実に気がついていただきたい。ただし、木ならなんでもいいわけではない。
ヒノキを使い炭酸水を飲むと「ハイボール」の味がするのだ。鼻にヒノキを押し付け、鼻を犬のように敏感にクンクンと動かし、炭酸水を飲む。ハイボールである。ノンアルコールである。
実験の結果です
ヒノキと炭酸水という答えに行き着くまで我々はいろいろな試みを行った。実験に実験を重ねて、成功を導き出したのだ。ちなみに行った実験とは、いろいろな木の匂いを嗅ぎながら炭酸水を飲むというものだ。
ヒノキ、ヒノキアスナロ、イヌシデ、クワ、アラガシ、山桜、クリ、と山のプロフェッショナルに木を集めていただき、それらを丁寧に嗅ぎ、炭酸水を飲んだ。そして、「ヒノキ」だと分かったのだ。ヒノキの時は若干緑色に光った気すらした。
匂う木によって炭酸水の味が変わる。「イヌシデ」は動物園で炭酸水を飲んでいるみたいだったし、「クリ」は追われる獣のような余裕のない炭酸水の味になった。「山桜」は匂いが良過ぎてチューハイみたいだ。
「アラガシ」は酸味が強くハイボールにはならない。ただ「アラガシユイ(新垣結衣)」というダジャレが飛び出し、酔っぱらいには近かった。そんな実験の末に行き着いた「激安ノンアルコールハイボール」が「ヒノキ」なのだ。
更なるハイボールを目指す
ヒノキを匂いながらの炭酸水がハイボールになることが分かったけれど、さらなる本格派ハイボールを目指したい。そこで、ヒノキを水に入れ沸騰させ、その蒸気を集めて、その中に炭酸水を入れる。スマートにハイボールが飲めるわけだ。
いい方法だと思ったけれど、蒸気が上手く集まらず、この方法は失敗に終わった。今までは200回ほど成功していたのだけれど、この日は上手く蒸気が集まらなかったのだ。このようなこともある。
もう混ぜちゃえ
ヒノキを入れて沸騰させた水には、ヒノキ成分がたくさん入っている。ということは、この水に炭酸水を入れれば、それはもうハイボールなのではないだろうか。多くの人は違うと言うだろう。でも、そうなのだ。
世界は可能性に満ちている。ピノキオスタイルの時より、遥かにスタイリッシュで味もハイボールだ。ハイボールは買うものと思っていたけれど、違うのだ。ヒノキと炭酸水で作れるのだ。次の日の朝、私は緑色に光っていた。